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台詞を薙ぎ倒す

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

演技力の強い声優さんって、何度も聞くんですよ。

演技が強過ぎて、言葉が頭に入らないから。

演技に夢中になってしまうから。

其れがどれだけ強い台詞でも。

凄まじい程の演技力というのは、時に台詞さえも潰す。其れはある意味、曲に近い。歌唱力のある者が歌うと、歌詞の意味が届かないのと同じ様に、台詞が頭に入らない。ただ脱帽し、聞き入るのみ。


「君の言い回しは癖が強い。一度聞いたら暫くは忘れられない程に。そこで質問なのだが……読んだことあるかい?」

そう一呼吸置いて、幾つかの漫画を卓上に並べた。私も何度かタイトルを拝見したものだった。一度聞いたら、何処かで口遊たくなる様な、名台詞しかない漫画。だがしかし。

「残念ながら。でも……台詞だけなら幾らか。恐らく知らず知らずの内に影響を受けてますね」

其れだけ脳裏に焼き付いたという事。其れだけ言い回しが強いという事。だからこそ、多くのものが其れに習って復唱する。聖書の一説の如く。この台詞達を肉声が乗った状態で聞いてみたくなった。紙のインキの一つでなく、一つの生き物として。

だから彼と別れた後、密かに流す事にしたのだ。動画サイトを開いて、さも映画でも再生させるように。其れが一瞬で裏返った。開幕一秒で全てを飲み込んだ。

声の演技が余りにも強い。其れは荒波の如く耳に流れ込み、思考を犯す。確実に重要なのは台詞なのだ。意味を成した台詞なのだ。だがそれ以上に、演技が強い。台詞の意味を考える猶予さえ与えない程に、全ての思想を此方に靡かせる様に。

台詞自体、皆が復唱し心酔する程に、強いもの。言い回しに癖があり、其れの虜になる程のもの。けれども其れさえ捩じ伏せた。この演技が、言葉、文、意味さえ凌駕したのだ。


翌日、また彼と会うことになった。彼は昨日と同じ様に私の文章を読む。

「昨日、提示された漫画の一部を、動画で再度再生したのですよ。

……演技力が素晴らしい……。これ程までに強い台詞が、軒並み薙ぎ倒されるのを、初めて痛感致しました。普通ならば、台詞が演技に負ける程の強い台詞なのに」

其れを聞いた彼が、僅かに口角をあげた。其れは耳の付け根まで弧を描く、不気味な笑いだった。

「どれも素晴らしいよ。アニメを見ているのではなく、曲を聴いた気持ちになる」


おまけ

「君の文章も、それなりに癖が強いけれども」

「私の文章は成金お嬢様が書いたような無駄なギラギラがあるのです。下手に幻想的で、誇示的で、承認的で……やはり成金の文章ですね」

言い回しには気をつけてますが、読み返すと成金お嬢様の文章です。無駄にギラッギラしてる。

其れに一抹の幻想と、誇示的を加えてます。


言い回しに癖がある漫画、きっと皆様お好きだと思うんですよ。私も好きですよ。よく勉強に使います。

んでもって、台詞が強いからこそ、肉声で聞きたくなるんですよ。どうやって演技してるのかなーって。


そうして聞いたのが昨日の話。

台詞が勿論強いんです。

そりゃ皆様が好きで復唱するくらい。

パロディやオマージュするくらい。

でも、其れをなぎ倒すぐらい、声優さんの演技が強い。

台詞どころの話じゃないくらい、演技が強い。

初めて台詞を差し置いて、演技に夢中になりました。


ある意味曲と似てるんですよ。

主旋律に夢中になって、歌詞に目がいかない状態。

それと同じ事がアニメでもおきました。


また帰ったら聞きます。

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