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自分たちに一番関係のある経済を勉強しないで投票もしない。若者世代ってバカなの?という話

作者: ふりがな



こんにちは。

読者の皆さん、ふりがなです。

突然ですが、私に30万円を、毎年支払ってください。


と言われて、納得して支払う読者はいないでしょう。

気付かない内に、そのくらいの損をしているかもしれない、という話になります。

政治と経済の話ですから、内容が気にくわない人もいるでしょうが、気になる方は最後までお読みください。


この記事をつくるきっかけになったのは、私が世界恐慌のお復習をしていた時の事です。

現実と大きく乖離している数字を見つけまして、これはいったいなんだと執筆と相成りました。

その数字とは、不況に対する若者の投票率と行動です。


不況では、様々な層が影響を受けます。

その中で最も影響を受ける層が、不況期に就職する若者世代です。

世界恐慌でも、就職時期だった若者は、他の世代に比較して特異的に所得が低く、投資をしない、子供を生まない世代だったと知られています。

アメリカでは、リーマンショックに就職時期だった世代の年間所得が、他の世代の期待値より30万円ほど低いという論文が、5年前くらいだったかに出まして、この話は、そこそこ認知率があると思います。

まぁ読者の中で、2割行ってればいいかなという程度ですが。

便宜上、以降はリーマンショック世代と言ってしまいますが、リーマンショック世代は、世界恐慌の若者世代と同じように投資のしない、世の中を信頼しない世代です。

不況は所得だけではなく、その世代の思考にも大きな影響を与えたのです。


冒頭に出てきた30万円は、この30万円です。

車の維持費が年間50万円前後ですから、車を持つ持たないかくらいの影響となります。

私はノーベル経済学賞をとったポール・クルーグマンの本で、正しい経済政策をしなければ、自力ではどうしようもなく、世代レベルが損をするとは認知していましたが、一般のニュースでも同様の記事は出回っています。


不況で、就職時期の若者が損をする理屈は簡単です。

就職時期の若者は、既にある生産設備ではなく、設備投資として扱われ、不況期には、この設備投資が最も大きく減るからです。

更に大きく言えば、リーマンショックでも世界恐慌でも、元凶となった金融業は、所得が多少減ろうがそこまで大きな被害を受けませんでした。

不況は通常、より需要の必要なサービス業や製造業を直撃し、雇用を奪います。

そして、どんな時も、不況の影響を、最も受けるのは社会的弱者です。

不況の生け贄に選ばれるのは、現役世代ではなく、社会的弱者である、次世代の若者なのです。


一方で社会的強者はどうかと言えば、リーマンショックで話題に上がったのは、金融業での犯罪的な経営にも関わらず、刑事罰が誰にも課されなかった事、その金融業界に多額の税金が投入された事、金融危機後の経営陣の高額報酬です。

この社会的強者の優遇、つまり不条理な国民の社会的分断は恐らく、エリートとの対立と言われる前トランプ政権の成立にも大きな影響を与えたでしょう。


通常民主主義では、自分に一番関係のある施策を重点に、投票が行われます。

となると、不況期では就職時期の若者の投票率は、他の世代に比較して、非常に高くなるハズです。

次点で、投票率の高まるのは、製造業やサービス業の現役世代です。

繰り返し書きますが、私のみつけた数字の乖離とは、この不況に対する若者の投票と行動でした。


実際には、不況期の若者の投票率はどうなっているでしょうか?

そもそも若者は、経済について勉強をするのでしょうか?

次点である製造業や、サービス業の投票率は高まっているのでしょうか?


政治活動や投票とは投資活動です。

そして不況期に大きな影響を受けた若者は、投票意欲が著しく無くなります。


若者が不況期の生け贄に選ばれ、その影響は所得から思考へと広範囲で、生涯に及ぶ。

その事実の認知率は、次世代では1%を切る辺りが現実でしょう。

誰も事実を教えたりはしません。

そして、日本の場合、学生運動の反省から、次世代には、政治活動さえ許されていない面があります。


社会的弱者には、行動どころか、知る機会さえも与えられない。

私の感じた不況に対する若者の投票と行動の乖離の正体とは、社会的弱者故の、政治からの排斥の結果なのではないでしょうか。


不条理な社会的分断がない場合、学生運動とは、実は妥当かつ、正当な民主主義に必要不可欠な手続きなのかもしれない。

では、学生運動の排斥の補完として、現役世代が、不況期の次世代の不条理を助ける必要はあるのでしょうか?

また、積極的に助けたりするのでしょうか?


この象徴となったのが、氷河期世代です。

氷河期世代が現役世代の中核となった時期に、政権は氷河期世代の救済へと動きました。

その間、約20年。

遅すぎた救済と言われる、また現実的に鑑みても遅すぎた氷河期世代の救済は、現役世代の恨みが政権に向かないように、政治と経済の失策が完全に表面化し、社会問題として認知された後に、申し訳程度に行われるようになったのです。

ここから解るように、大半が不況に関係のない現役世代は、次世代を助けたりはしません。

学生運動の補完能力は、民主主義には存在しないのです。


結論から言えば、不況に対して妥当な行動となると、次世代は、就職活動の行われる前の学生時代に、自分たちの事を自分たちで何とかするために、教えられもしない前時代の知識を正確に収集し、一部禁止されている政治活動をしなければなりません。


でなければ、社会的弱者である次世代の若者は、一方的に生け贄として選ばれ続ける上に、所得も投票率も特異的に低い歪んだ社会が出来上がるハズです。


日本は今そうなっていないでしょうか?

そして、若い頃の思考の影響は生涯に及びます。

不合理な社会的分断や、低投票率は生涯に及びはしないのでしょうか。


今コロナ禍で再び不況が来ています。

今の次世代が犠牲になる事は避けられないでしょう。

失った学生運動の補完の方法を、我々の社会は問われいるのかもしれません。





ちょっと前に、社会的弱者が社会的強者になりつつある、なんて記事が流行りました。

では、社会的強者は弱者になったのでしょうか?





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