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悪夢の始まり

休憩を挟みながら俺たちは湖へとたどり着いた

木々を抜け、爽やかな水の香りがする

なんとも大きくて透き通った湖だ、水深もかなりありそうだ


「ガンブルは夕方頃に活動すんねん

今は昼時、まだ時間あんねやから今のうちに水辺で血の匂い流しとけや」


「あ、なるほど。ガンブルに警戒されない様にですね?」


「お前ホンマに抜けてんな、魚おびき寄せるんがメインや。腹減ったやろ」


肉食の魚っておいしいんだろうか、何にせよ経験者に任せる方が良いだろう

きれいな水だからよく見えるが、魚はあまり見当たらないようだが


言われた通り服を脱ぎ、こびりついた血を洗い流していく


「温泉の時から思てたけど、レオンの背中の紋紋何なんや?」


「え?モンモン?」


モンモンとは刺青のことのようだ

俺は刺青など入れた記憶などない、なんのことだ?

水面をうまく使い背中を見てみると

そこには夜叉神様の身体に入っている紅く光る紋様に似た物が入っていた。


もしかして夜叉神様が下さった力と関係があるのだろうか?


「なんやけったクソ悪い模様やなぁ、ほんでワンポイントしか入ってないで

入れるなら全身に入れたらええやん」


「確かにちっちゃいですね、これじゃ見栄えが悪いなぁ」


「何いうてんねん、おどれが入れたんちゃうんかい」


変にツッコミを入れられてしまうな、俺はふざけて言ってる訳ではないんだが

少し気になるが、まぁ何も身体に影響ないし大丈夫だろう


洗い流して少しするとシハンの言う通り魚が浅瀬に寄ってきた

やはり経験豊富な人間がいると頼もしいことだ

あっという間に生け捕り、あっという間に火を焚いて焼魚を作ってしまう

味はまずい、普通にまずい


「うん!まずいです!」


「ホンマやな!どつき回すぞアホンダラ!」


シハンといると会話があって楽しい、前の俺は誰か仲の良い人は居たんだろうか

ふと自分の過去が気になった

いずれ思い出すのかな…調べてみるのも良いかもしれない


食後、シハンから剣術の基礎を教わることになった

構えから斬撃までの動作や初動のスナップやフットワークなど

まず知っておかなければならないことを教わる

また大人数相手の立ち回り方やサシでのコツなどもあるが、数刻では教わりきることは出来なかった

それにしてもシハンは教えるのがうまい、俺はあっと言う間に理解できる


「お前ホンマに剣才の鬼やな、何言うても想像超えてきてんねん」


「いや、シハンの教え方は本当に分かりやすいですよ。俺よりすごいのはシハンです」


「何言うてんねん、俺が言うてることは上級者向けの難題や。素人で言うた通りに出来るお前が頭おかしいねん」


褒められてんのかな?あんまり嬉しくないぞ?

でもシハンから盗めることはまだ多い、どんどん吸収していこう

出来れば魔術も使ってみたいが、俺に適性があるか分からないため保留だな


気がつけば日が傾き、あたりを夕焼けが燃えるような赤色に変えている

いよいよ本命のガンブルの討伐だ

ガンブルはEランクモンスター、初めて狩るような獲物じゃない

でも俺はやるんだ、強さを極めるために




森の奥から巨大な影が現れる

それは俺が聞いていた、俺の背丈を少し超えるようなサイズとはあまりに一線を画すような大きさ

体高3メートルはあろう筋肉の塊のような巨躯

鋭く湾曲した二本の牙

揺らめく黒き体毛は斬撃が効くとは思えない

殺気だった眼光は妖しく煌めいている


「ミスったな、俺も初めて見るわ・・・大物やで」


それは稀に出現するガンブルのボスにして上位種

Bランクモンスター「ディアブル」


発見と同時に避難勧告が敢行される災害のような存在が目の前に君臨していた。

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