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ヲタク高校生は恋できない  作者: 悪ッ鬼ー
第二話 ~秘密~
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第二話 ~秘密~(2)


 ―————僕は家まで、徒歩二十分を掛けて戻ることが出来た。



「ただいま」


 と言っても、家の中からは返事は帰ってこない。そこにあるのは静寂のみだった。僕の家では、これが当たり前だ。別に親と喧嘩してもないし、嫌われているわけでもない。むしろ逆だった。今もそうであれば良かったのだが。


「ねぇ、父さん。ここで寝ないで寝室で寝よう?な?」


「あ、あぁ、お前か。すまないな」


 父さんは体を起こし、近くに置いていた眼鏡を付け、仏壇をあとにし、寝室へ向かって行った。


「・・・・・母さん」


 僕は仏壇に目をやる。そこに飾ってあったのは、いつもと変わらない、僕の母親、春巻はるまき 明日香あすかの写真だった。

 母さんが他界し、僕の父親、春巻はるまき 富士ふじは変わってしまった。

 いつもは明るくて、面白い父さんだった。が、今では、仕事から帰ってきたら、いつも磁石の様にこの仏壇の所に来ている。

 僕が帰ってきたら、ここで寝ている事が多い。それだけ母さんを愛していた半面、それが大きくバウンドし、ショックも大きかったのだろう。

 母さんはガンで死んだ。父さんの喫煙が原因のようだ。母さんが亡くなって以降、父さんはたばこを一切しなくなった。

 僕からすると、本当の父さんはもう、死んでいる―――――



「っと、こんな感じで良いか」


 僕は、小説家だ。と言っても、実際にそれを売っている本物の小説家ではない。サイトに、誰でも小説を書き、共有できるところがある。今は自称ウェブ小説家ってとこだ。

 見つけた時には書こうなんて、微塵たりとも思っていなかったけど、『ヲタクの恋は一度きり』に出会って、こうやって書こうと思えたんだ。

 最初は楽しかったが、見られる回数が少ないと直ぐ萎えてしまって連載を止めてしまったり、少し読み返しおかしい点が沢山出てくると、その小説を消してしまったりと、僕には少し難しい。

 だから今回の小説は、題名で釣る事にした。その作戦は見事・・・・・失敗に終わった。

 そんな感じでも、面白いと言ってくれる人がリアルでいるから、何とか続けられている。それが橘先生で、先生だからこそ説得力があるのだろう。


「これえお投稿して、今週のノルマは終わりとするか」


 一週間に一回投稿と自分の中で決めている。だが、決めた当時からそれを守らず、二週間に一回ペース。いや、一か月に一回ペースになっているのだがな・・・・・

 まぁ、投稿しないよりは良いであろうと、少々の罪悪感を紛らわせるのが少し大変だ。

 小説を書き終わったときには、もう九時を回ろうとしていた。

 僕はそのまま夕飯を食べ、風呂に入り、そして歯磨きをして部屋に戻った。そのまま布団の中に潜る。


「明日も学校か・・・・・憂鬱だ」


 もう深夜の二時を回っていた。流石にこれ以上起きていると、明日の放課後寝てしまうかもしれない。それを懸念し、今日はもう何もせずに寝ることにした。

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