昔話の挿入編
いつしか見えた青い空は、今ごろ、そこの理想郷を歩き回っているのだろう・・・
”いつか、リスナーの皆さんのところに行ってみたい..”...
「いつか会えることを楽しみに待ってます。」
”あの人を知りませんか?あの、もしもし、あの人を知りませんか?”
『あ、あの人知ってますよ、あの人は私の近所の人です。』
”どんな人なのですか、知ってます?”
『いえ、あんまりお話ししたことないので、よくは...でも、気持のいい人ですよ。会った時はちゃんとあいさつもして下さいますし。』
”そうですか、ありがとうございました。あ、それと、あの人の名前は...?”
『....です。そこに住んでいる人ですよ』
”ありがとうございます。”
”あのー..、もし、..さんでいらっしゃいますか?もしいらっしゃったら出て来て下さい。”
「はい、」
”あ、あのう、こんにちは、あたしが誰だかわかりますか?”
「え..ちょっと、..あ、もしかしてラジオの?」
”そうです!よくわかりましたね。いつか私、リスナーの人に会いたい、って言いましたよね。それであなた私の番組宛にハガキを下さいました。ですから約束を果たすべくあなたに会いに来ました。”
「あ、そうだったんですか、これはどうも。とても嬉しいです。でも、そうやって、リスナーの人全員に?」
”まさか、体がもたないですよ。代表の人だけです。”
「それで、僕が?」
”そうです。”
「それじゃ、見当違いでしたね。来て下さっただけで感謝します。それではさようなら。」
”あ、あの、ちょっと待って下さい!”------------∵
『あの人は、いつも言うだけなんですよ。あいさつも、きっとそうなのでしょう。あの人の性格はそういう型なんです。でも会いに来られたことはムダではありませんよ。あの人の生きてる時に出会えたんですもの。』
あの頃に観た純文学は、あなたの心をどのように脚色し、今を新たなものに作り替えるだろうか・・・