世襲
世の東西を問わず
権力を握る際
必要とされている4つの要素。
地盤・看板にカバン(の中身)。
更には評判。
これら4つの「バン」の内、
1つでも欠けてしまいますと
能力の有無。
選出方法の違いに関わらず
権力を掌握・維持することは容易なことでは無い。
ましてや昨今のわが国では
民意
と言う名の
投票。
(投票することに関しては
収入などの格差は無く
全て平等の扱いを受ける)
により
自らの志を
税金と言う名の
みかじめ料を用い
実現へと運ぶ権利を持つか失うかが決まることになる。
そのため
候補者を選定する際、
候補者候補にとって
大きなアドバンテージの1つとなって来るのが
地盤。
世襲
でありまして
実際。
3代4代と代議士を産み出している家系も登場する運びになっております。
翻って我が織田家はどうなのか?
と申しますと
(……私のことは置いておくことにしまして)
更には
(……息子たちのことも置いておくことにしまして)
地盤以上に
能力を愛することにしております。
私が森蘭丸を愛したのも
能力を愛した故でありまして、
私の考えを
蘭丸が把握することが出来るよう
常に傍に置いていたのは
彼の能力を愛していたからに
ほかありません。
(……コホン)
自薦・他薦。出自を問わず
手広く採用し、
活躍を魅せたモノに対し
厚い恩給を持って応えることにより
日本で最も大きな勢力になるにまで至ったのでありますが
こと
世襲
と言うことに関しましては
尾張時代からの地盤を持っておりました
佐久間・林両家に対する扱いからもわかりますように
(……安全な尾張の国に信忠の領地を与えるためでもありますが)
能力に陰りが見え始めた
もしくは
跡取りが心許無い
と判断しました場合。
終身比例第1位などと言いました
特権を与えることも無く
放逐して来たのでありましたが
一方、
叩き上げで伸し上ってまいりましたモノどもに関しましては
世代交代と言う時期をまだ迎えていなかったこともありまして
その後の扱いをどのように考えていたのか?
を示す機会が無かったこと。
最もその時期に差し掛かっていました
光秀が
最期
あんなことになってしまいましたので
(……話し合えば理解して頂くことが出来たのでありますが)
(……私の不徳の致すとこであります。)
信忠が元気でありましたら
私が居なくとも
織田家が空中分解することも無かったのでありましたが
苦労知らずで育ててしまったところが
あったのかもしれません。
恥も外聞も無く
安全地帯へ向け猛ダッシュ
とはならず
武士の一分を貫く選択をしてしまい、
遺された次男にしましても
どこかの三代目のように
大事な側近を
言うことを聞かないから
と疑心暗鬼になってしまい……
最終的には
養子縁組をする形で
四男が継ぐ形にはなっていたのでありますが
(……はげネズミに根こそぎ持って行かれることになってしまった……)
そのはげネズミが行った施策が
結構
私が考えていたモノを踏襲する形を採っていたこともありますので
ある意味
参考になるのかな?
と思えるのでありますが
そんな彼も
権力を掌握して
わずか10年で
この世と別れを告げることになってしまいましたので
虎退治など
子飼いの大名の跡取りに対する扱いを見る機会が無かったのでありましたが
目上であり、
天下を獲る過程で善き協力者となりました
丹羽家。
私の時代。目を掛けておりました
蒲生家の跡取りに対する扱いを見ていきますと
能力に欠けるところがある。
と判断した場合は容赦なく
領地削減の措置を講じる一方、
のちに西国宰相
と称されることになりました
池田家の三男坊のように
能力があるモノに対しては
身を立てることが出来るよう
いつまでもいがみ合わぬよう
(……これがのちに秀吉の息子を苦しめる要因ともなるのでありますが)
配慮を施す。
その配慮を
私がやっていましたら
少なくとも
(……本能寺にはならなかったのだろうな……)
(……反省。反省)