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下剋上

今から10年ほど前のことでしたか。

時価総額

と言うワードが殊更に強調されました頃。

とある事務所の中の会話に

次のようなやりとりがされていたのを思い起こしてみますと


今までの価値観とは異なる要因が入ることにより、

あらゆる事柄が極端化する世の中になることについて

事務員のかたは

「大変なことになるのではないのですか?」

とその事務所の中に居ます社長に話しましたところ

その社長は

「(ガラガラポンが起こっている状況)だから面白いのだよ。」

と、

その後。二度三度と

表現に変化をつけながら尋ねる事務員のかたの問いに対し、

同様の答え

「だから面白いのだよ」

を繰り返されておりました。


そのかた。

丁稚奉公から事業を立ち上げられまして

成功を修められたかたなのでありまして

その事業を拡大されました時期が

戦後の混乱期から高度成長へと向かう

敗戦により

それまでの価値感とか

固定化されていた物事が

ある意味

耕された時期と重なっておりまして

仮に

戦前の状況でありましたら

なかなか

自営業として。

今のような成功を修めるのは

混乱期からの時とは

また

異なる大変なモノがあったのでありましたが

日本が戦争に敗れ、

更地となったことを

チャンスと捉えられまして。


……と

思うことが出来るかた。

そう多くは無いと思います。


むしろ

変にリスクを追わず。

風向きの悪い状況が変わるまで

身の丈を低くする生活を営むことになると思います。


と言う考えから


戦国時代は

下剋上の時代と言われております。

軍記物などに

「……誰しもが天下を目指し」

などと言うことを念頭に置きながら

自らの勢力拡大に邁進していたわけではなく、

大半のかたは

現状維持を念頭に置きながら

生きていくため、

係争地に巻き込まれた場合でありましても

長男はあちら。

親と次男はこちら

とリスクの分散を図りましたり、


立身出世や

勢力拡大を狙って

のかたがたに致しましても

当時の国レベルでの権益拡大を目指すことはありましても


全国を統一することを目的とするモノが登場するのには

応仁の乱から

1世紀の月日を要することになりました。

仮に

この思想を持つモノが現れることがなかった。

としました場合、

たぶんでありますが

インドの藩王国のような状況で

イギリスが乗り込んで来た可能性も無きにしもあらず。

たまたまイギリスから遠い位置に日本があったため。

時間的猶予があっただけなのかもしれませんが……。


では何故信長は

天下統一を考えたのでありましょうか。


信長以前で

天下統一。

自らが主体となりまして。

と言うかたは

大和朝廷だけでありまして

○○時代

と言うモノはございましたが

形式としましては

関白

太政大臣。

更には

征夷大将軍

と言いました

朝廷から任じられる形式でありましたり、

執権とか管領

と言いました

朝廷から任じられました

将軍の家臣

と言う形式でありますように

その時代の第一人者として

でありまして

信長のような

自らが直接統治し、

柴田・羽柴・明智をテマ制のように使う方法を採用される

と言いました

前例は

それこそ

律令時代にまで遡らなければならなくなる。


しかも律令時代とは異なり、

商業や工業に重点を置く形で。


(……天下ってそもそもどの範囲を指すのだろうか)


志半ばで

本能寺を迎えることになりましたので

最終形態はどのようなモノになったのかはわかりませんが

信長在世中の段階で既に

畿内より外へ押し出していたこと。

更には

秀吉が

四国、九州。関東・東北へ兵を進め、

更には

大陸へ針路を採ったことから想像しますと


(仕事を作る

と言う面もありましたが)


信長の考える天下の範囲

と言うのは

美濃平定時段階での

「天下」

将軍と袂を分かつことになったのちの

「天下」

とでは

異なる

「天下(範囲)」

を意味していた……。


これも想像の域を出ないのでありますが

もしかすると

信長の言う「天下」は

ナポレオンの言う

「革命」

を意味していたのかもしれません。


最後は

秀吉や

ナポレオン。

アレクサンダー大王などと同じく

いくさに敗れるか

兵が疲れるまで拡大し続けることになったのかもしれませんね……。

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