奇妙丸
今から20年くらい前の話なのでありますが
同級生に
『宗大』
と書いて
『もとひろ』
と読むのがおりまして
かわいそうなことに彼。
卒業式で
名字のみ。
名前はまだ無い
の扱いを受けることになる……
と言う
光景を目の当たりにしましたモノから致しますと
最近、生まれて来るお子様がたの名前を見ていますと
筆記試験の
問題文に入る前。
自分の名前を書くところで
蹴躓く様な
音で読んでも
文字のヒントにはならない。
(……一応、常用漢字なのではありますし、
役場も受理していることではありますので
問題無いと言えば
問題無いのでありますが)
私の頃
(急にキャラが何であることを思い出しまして)
戦国時代。
(転生しているのでありますから
現代でも別に構わないのでありますが)
の寺子屋?
(もう時代考証崩壊しているよ)
の年度初めの授業で
担当の先生による鉄板ネタ。
わざと名前を間違えて読む。
が出来ない状況になってしまっている。
レクリエーションも早々に
『これはペンです』
を英文で諳んじなければならなくなる。
生徒と先生とのコミュニケーションを推し量ることも出来ないまま
偏差値教育の荒波に飛び込まなければならなくなる……。
(書いている本人が漂流しているのでありますが 苦笑い)
(……スタートは何でしたでしょうか……)
名簿にはあらかじめ
戦前の新聞のように
読み仮名が振られている。
その名前呼ぶ時以外
ほかで一生使うことは無いであろう
呼びかたがされることにより
逆に読みの問題でしくじる生徒も出て来るかもしれない
と思いますと……
そんなこと言っている私(信長)ではありますが
かく言う私も
あまり他人のことは言えないところがありまして
実の息子。
長男に
どのような名前を付けたのか?
と申しますと
こちら
『奇妙丸』
言い訳。
言い訳?
をさせて頂きますと
あくまでこれは
幼名でありまして
数えの14辺りに
もう一度、
名前を変える機会はございますし、
更に言いますと
当時は
本人の意志で改名することもザラでありましたので
(……悪ふざけ?)
と言われますと
否定し難いところが
無きにしもあらず
なのではありますが
一応、
7歳までは神の内
と言われました時代。
そこまで無事に育つのに苦労していた時代でありますので
陰の世界の使者に持って行かれぬよう
敢えて
カッコ悪い名前。
魔王の歌に出て来る魔王でも
甘い誘いの言葉を掛けるのに躊躇するような
……て言う建前もある
と言う
当時の時代背景も見て頂かないことには。
確かに
寺の住職に付けてもらうほうが
無難
と言えば
無難なのではありますが
私は坊主が大っ嫌い。
加えて
冒頭で紹介しました彼の名前の由来は
お坊さんに付けて貰ったから
晴れの卒業式の場で
大恥をかかされることになった……。
そもそも
(……無難な名前って何?)