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0.サニー

0.サニー


天使と悪魔は昔から仲が悪いらしい。


天使=善者、悪魔=悪者。

それが世間一般の概念であるが、中には異例もあることを僕は旅を始めてから知った。


僕はサニー。

とある少年の身体をのっとり、人間の世界で旅をしている天使である。

そして僕と一緒に旅をしているのはナーレスという名前の悪魔である。


僕がこの少年の身体をのっとって、最初に目にしたのが、ナーレスだった。

無論、最初は敵だと思って散々攻撃したが、彼は僕よりもずっとずっと強い高位悪魔で、全然歯がたたなかった。

その後も僕は彼に何度も挑戦したけれど、傷一つ付けることもできず、気がつけば、こうして一緒に旅をしていた。

そして、ナーレスが全然悪い奴じゃないこともよくわかった。


彼は悪魔だけど、人間の姿をしている。

変装、とでも言うべきだろうか?

栗色の腰よりも長い髪の毛を風にさらさらとなびかせ、紫色のゆったりとローブの裾から細くて長い足が伸びている。

どこから見てもまさに美形という言葉の似合う容姿をしていた。

天使よりも美しいとはまさに彼のことかもしれない。

さらに、彼には人間の仲間がいる。

スリィという女の子だ。

桜色の髪の毛を二つに分けて結び、紅い縁のメガネをかけて、深緑色のワンピースを着たメイドさんだ。

とても可愛い容姿とは対照的に性格はとてもさっぱりとした姉貴肌。

こんな目の保養になるような二人と旅をしていると、僕の印象はとても薄く感じられてしまうのが少し悲しい。

「そんなサニーは胸まで伸ばした茶色の髪の先が縦ロールになっている金色の目の天使さん。

元の人間が着ていた水色のつなぎがとてもさわやかな好少年。

かわいくて、思わず食べてしまいたい。」

「……ちょっと本気に聞こえるから、やめてくれ。」

ナーレスは僕の背中を叩きながら、大笑いしている。

「やおいだねぇ」とスリィがしみじみと腕を組んで、小さく笑う。

そんな二人に囲まれて、僕は苦笑い。


これが日常。

これが楽しくて、僕はこの二人から離れられない。

天使と悪魔と人間と。

3人の旅は今日も始まるのだ。


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