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主人公 福③

 気になる所は突っ込むんだ。しかし、変な人に思われるから、あまり大声を出して作者に話しかけない方がいいぞ。

 「まわりには誰もいないよ」

 ハァー……。あ~言えば、こ~言う。聞かん子だねぇ。

 逆卵型の顔に、猫を連想させる少し上がり気味で青みがかった大きな瞳。長いまつ毛にスリムで愛くるしい鼻。少し太い所を除けば、形、バランスは悪くない眉。暑さでへの字にゆがんだ愛くるしい口から、時々、健康的な白い歯が見え隠れする。

 おおまけにまけて、かわいい女の子の端くれと言っていいだろう。ありがたく思うように。

 「恩着せがましいよ! フツーに美少女でいいじゃん!」

 ププッ。美少女だって……自分で言うかな。

 「ほっといてよ」

 

 次にスタイル。

 身長は……十五歳の女の子にしては長身の部類に入る。具体的にはどのくらいだ?

 「164㎝。」

 年齢の平均より少し高いな。クラスでも席は後ろの方だろう。

 「まあね」

 すらりと伸びた長い手足。筋肉の付き具合から見てかなり運動神経が良い事が伺える。この日差しで少し赤くなっているが、本来はつきたて餅のように色白なのだろう。

 「雪のようにって言ってよ」

 餅で充分である。贅沢だな。福は一部分を除き、全体的にはスリムな印象を受けるシルエットの保持者だ。

 一部分、つまり、胸、おっぱいは平均レベルより少し、いや、かなーりでかい。

 やはり、これは特筆すべきであろう。トップ、アンダーの差を推測するに、Eカップの後半もしくはFカップの前半といったところか。そして、その形状はLLサイズのグレープフルーツを横に割ったような半球形。『おわん型』などと、やぼな言い方はしたくない。ラウンド型と呼ばせてもらおう。大胸筋を鍛えねば、自然にこう言う形にはならない。大きさだけではない。弾力も申し分なく、彼女が一歩、歩を進めるたびにお皿に乳製品が落ちる時の擬音が聞こえてきそうな、見事な巨乳である。十五歳でこのサイズとは実に先が楽しみだ。

 おや、なにを腕組みしている?

 「このどエロ作者……」

 ……実は、先ほどは、そう描写したが福の胸は洗濯板が如くまっ平ら……。

 「だから、嘘言うなってぇ~!」

 

 ところで福は先ほどからいったい何を探しているのであろうか。

 「あっ。いたいた」

 福は正面の空き地の外れに一つポツンとある、朽ちかけた木立に駆け寄る。

 「あのー、すいませーん」

 彼女は木の根元に話しかけている。実は、彼女は植物とはなしをする危ない人……

 「ちげーよ!」

 オホン。……では、彼女にだけ見えていたものを見てみよう。木立の根元にしゃがみ込んだ女性が見て取れる。所々に焦げたような穴が目立つ、花柄のシミーズを着ている。足元ははだしだ。見るからに水分が足りないと判るショートヘアーの髪は、以前火にされされたのか醜く縮れている。木の根元に向かいぶつぶつ呟いている。

 「熱いよ……熱いよ……」

 よく見ると地面には、油がしみ込んだようなどす黒い跡が見て取れる。この世のものではない。一般的に言われている幽霊と言う奴だ。

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