62 いろいろ報告
「報告します!!」
たった今、別の人間が出ていったのと入れ替わるように伝令が慌ただしく入って来た。
「⋯うん?今度はなんだ?」
「辺境に行っておりました、テクノ隊が王都に戻ってきたようです!!」
あぁ、あの洞窟がなくなったというやつだな⋯。
「⋯よし。本当のところはどうなっていたのか、直接聞こうじゃないか」
「はっ!!テクノ隊もそのつもりのようで、こちらに向かっております!」
「そうか。では、着いたら連れてきてくれ」
「はっ!!」
伝令はまた慌ただしく出ていった。
「⋯⋯さて、どんな報告内容だろうな」
願わくば、少しでも前に進める内容であってほしいものだな。
ーーーーー
騎士団の建物につくやいなや、すぐに団長に報告する事になった。もちろんそのつもりで戻ってきたが、ある程度時間がかかると思っていた。こんなにすぐになるとは。団長も気になっていたんだろうか。
「ご苦労さん。⋯で、どうだった?」
「はい。ではまず、洞窟がなくなっていたのは事実でした」
「っ!!?」
報告に団長が驚いている。内容が内容だけに仕方ないことだと思う。こちらとしても、洞窟が増えたという報告ばかりで、なくなった報告をするのは初めての事だ。
「⋯⋯⋯そうか、事実だったか」
「はい。それに関わったと思われる人物にも接触してきました」
「ほぅ?たしか事前の報告では聖女がいたんだったか?聖女がそんなとこ行くのかって半信半疑だったが⋯」
「はい。本当に行ってました」
「⋯⋯なんでだ?」
「⋯⋯と聞かれましても、そういう人だったとしか⋯」
あれは、そうとしか言えない。二人とも違うタイプだけど。
「それと⋯」
異世界の人間であるユウジ、聖女のサシャとミラ、村の人間の四人で攻略したこと。その時の道中で起きたことを全て話した。
「⋯⋯なんと⋯」
「どの程度、事実なのかを知る為に⋯」
もう一人の異世界の人間であるタクミとテクノ隊の七人で、もう一つの洞窟にも行ってきた事も報告した。何も出来ずにふっとばされた事も含めて。
「⋯⋯⋯⋯」
⋯こんな報告内容、信じてもらえるだろうか??
「⋯⋯⋯異世界だとか、にわかには信じがたい話ばかりだが⋯⋯⋯洞窟がなくなったのは本当だったという事だな?」
「はい。それは実際に洞窟の発生を確認した私が断言します。なくなっていました」
「⋯まさか、生きている間にそんな話が聞けるなんてな⋯」
「団長⋯」
「⋯よし。王に報告する。その上で今後の方針を決めなければ。⋯ただ、信じていただけるかどうか⋯⋯。あ、お前たちは戻ってきたばかりだし、今日は休んでていいぞ」
「は!ありがとうございます!」
団長の顔をみるに、少しはいい報告が出来たんじゃないだろうか?⋯だが、報告するといった時のユウジの顔も思い出されるな。
『出来れば黙っててほしいけど、無理ですよねぇ?』
『ユウジの事を言わないで報告するのは無理がある内容だ』
『ですよねぇ⋯ははは⋯のんびり過ごしたいなぁ⋯』
うん。何ともいえない顔をしていたな。まぁ、今後は確実に巻き込まれるだろうしな。っていうか、いないと攻略できないしな。
ーーーーー
「ウホ。⋯⋯じゃない」
小さいゴリラこと、わたしは神です。
ユウジ達の攻略を見てたら、なんか楽しそうだなって思って参加しちゃいました。いやー、他の人達だと先に進んでくれないからねぇ。
そんな風にしたのは私ですけどね。えへっ。
え、キャラ変わってる?
あー、ゴリラになったからかもしんないね。
⋯いや、違うか。むしろ素の私だね。
「⋯いやぁ、それにしても危なかったよねぇ」
思わず魔物に体当たりをかましちゃった。ボタンも押しちゃったし、ちょっと贔屓しちゃったかなぁ。でも、死んじゃったら困るしね。あ!回復してくれたし、そのお礼ってことでいいかな?!いいでしょー!
「⋯⋯でも、出来て間もない洞窟なのに、あんなに強いのが出るようにしてたんだったかなぁ?」
いろいろ設定をしたのが大昔すぎて思い出せない。
「⋯うーん⋯⋯」
ま、なんかあってもなんとかなるでしょ。神様だし。




