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数分間しか、いれません!  作者: うちの生活。


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47 クリアしたのかな?

「え、洞窟でたのかな⋯?」


 ここはまだ洞窟の中なのか、それとも外に戻ってきたのか。パッと見では見分けがつかない。


「入り口はないですね。やっぱりまだ洞窟の中??」

「どっちだろう。⋯⋯あ、村に戻ってみれば、人がいるかどうかでわかるんじゃない?」

「そうですね!じゃあ、戻ってみましょう!」


 村への道はわからないから、サシャさん達についていくと何かが近づいてきた。魔物かと備えていたら⋯。


「あれ?」

「お、聖女さん達。あんたらも魔物退治してたのかい?」

「え?!えぇ、そ、そうなんですよぅ。そろそろ戻ろうかと思ってまして⋯」

「そっか。まぁ、大丈夫だと思うけど気をつけなよ」

「はい。ありがとうございます。皆さんも気をつけて⋯」


 どうやら顔見知りのようだった。すごく普通に話しかけられたのに、サシャさんは動揺していたけど。


「⋯洞窟の中じゃないみたいだね」

「そうですね⋯」


 去っていった人達を見ていても、黒いモヤが漂うような事はない。


「⋯となると、あのパソコンか⋯?」


 画面に表示されていたものを思い出す。


 確か、システム⋯⋯。


「ユウジさん?」

「あぁ、ごめん。⋯あのさ、洞窟の入り口はなくなっていたんだよね?」

「そうですね。なかったですよ」

「⋯⋯じゃあ、もしかしたら魔物の洞窟を攻略できたのかもしれないね」

「「「え?!」」」

「さっきパソコンを操作したんだけど」

「あのテレビみたいのですよね?」

「うん。表示されてた内容はなんとなくわかったから、ボタン押したんだけど⋯」

「あー!!そのせいで!!地震がきましたし!!床がなくなって怖い目にあいましたけどね!!」

「そ、それはごめん⋯」

「⋯⋯で、なんだったんだ?」


 急に憤慨してしまったサシャさんに代わって、ダヌさんが冷静に続ける。

 

「えと、ですね。システムを実行中って」

「「「⋯システムを実行中??」」」

「あ、わかんないよね。⋯⋯ええと、あのパソコンには何かを動かしているっていうような事が書いてあって。そして、それを終わらせるって項目があったからボタンを押してみたの」

「⋯⋯今の話からだと、その何かってのが魔物の洞窟か?」

「はい。おそらく」

「それを終わらす。つまり、魔物の洞窟を終わらせる、と」

「⋯かな、と。少し様子を見て、本当に洞窟がなくなってれば間違いないかと」

「それが本当ならすごいじゃん!!」

「⋯確かに。洞窟をなくせると聞いた事はあるが、かなり時間がかかるはず。⋯⋯今回だって、ユウジの地図がなければまともに進めなかっただろう」

「うん!絶対に迷ってた!!」


 ⋯それがよく分からない。魔物の洞窟はこの世界にあるものだ。なら、この世界の人が攻略できた方がいい。それなのに、どうして俺に地図が?⋯どうしてあっちの世界のパソコンで?


「ユウジさんに能力をくれた神様のおかげだね!」

「神様⋯」


 ⋯でも、あんな謎空間を作ったのも多分その神様なんだよね?だとしたらどうして?⋯⋯⋯⋯まぁ考えても仕方ないか。ミラさんの言う通りかなとも思うしね。


「あっ⋯」


 もう少し話しておきたかったけど、自分の部屋に戻ってきてしまった。本当に攻略できたのかはわからないけど、とりあえず洞窟を出たのは確かだったと。


「ま、いっか。⋯明日は仕事だし、ゆっくりしようかな」


 ⋯そう思ったのに。


「私もニホンにこれた!やっぱり洞窟攻略できたんだ!ヒィーーーハァーーーッッ!!!」

「⋯⋯えー」


 自分のボタンをぽちっとしたんだろう。やかましいのが一人現れた。


「⋯勘弁してください」


 もう少し話すにしても、このテンションに付き合うのかと思うと、どっと疲れがでてきた。


「ん??勘弁??なにを??」

「⋯⋯なんでもない」


 よし、十分間の我慢だ。


「それはそうと!攻略できたなんて村の皆に言ったら!」

「⋯言ったら?」

「一気に有名になっちゃうんじゃないですか?!褒美をもらえたりとか!」

「ある意味、サシャさんはもう有名だと思うけどね⋯」

「ヒィーーーハァーーーッッ!!!」

「いや、あの、騒がないでほしいな⋯」

「それは無理!!」


 いや、無理って言われても⋯。これ、近所迷惑ならんかな。⋯それはそうと言っとかないと。


「あー、その攻略できたかもって事だけど⋯」

「はい??」

「しばらく言わないでほしいんだけど」

「っ!!??どうして??!!」

「いや、洞窟がなくなったっていうのは言ってもいいだろうけど、自分達が攻略したって言うのはちょっとね⋯。そりゃあね、どこかから褒美がもらえたら嬉しいと思うよ。特にサシャさんはね」

「もちろん!お金欲しいですからっ!」

「⋯でもさ、それってどこからもらえるの?」

「え?⋯⋯そんなの、村から⋯はもらえるって思えないから領主とか?⋯⋯あ!もっとすごいとこからもらえるかも?!」

「⋯そうだとして、多分いろいろ聞かれると思うんだけど、サシャさんはちゃんと説明できるの?」

「どうでしょう??」

「それに、その領主とかすごいとこから、もっと洞窟を攻略しろって言われたりしないかな?」

「んー、それもどうでしょう??」

「⋯まぁ、厄介な事になりそうだから少し黙っててほしいなぁって⋯」

「んー、考えときます??」

「どうして疑問系なの?」

「さぁ??」


 うん、これはダメかもしんない⋯⋯。まぁ、あっちに住んでるわけじゃないから、気にしても仕方ないのかな。いや、結局は俺がフォローすることになるんじゃ⋯?


「⋯とりあえず、ミラさんとダヌさんにも、俺がそう言ってたって伝えてくれればいいや」

「それくらいなら!それより!お風呂!!⋯⋯はやめときますので、なんか甘いのないですか?!」

「えぇ⋯なんなの?」

「攻略記念でなんか甘いのほしい!」


 そうそう都合よく甘い物なんて⋯⋯あ、あったか。


「じゃあ、これならどうかな」


 なんか食べたいと思って買っていた板チョコを渡す。


「何ですか?この小さい板みたいの」

「甘いやつ。包み紙とって食べるんだよ」

「ふーん?」


 サシャさんは受け取ると勢いよくビリビリにやぶいて、勢いよくかぶりつく。


「!!??あまっ⋯」


 時間がきたようで消えていった。


「今度こそ、ゆっくりできるかな⋯。次に行った時、面倒な事が起きてなければいいなぁ⋯」


 切に願います。いや、ほんとに。


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