25 今後の方針
あれから仕事の日、休みの日関係なく、サシャさん達は現れた。そして、何故か職場を覗いていく。ただ、それは自分もそうだったという事でもある。サシャさんの能力なんだし、どう使ってもいいと思う。だから、強くは言えないんだけど⋯言えないんだけど、
「勘弁して下さい」
「はい??」
「日本に来るのはいいんだ。でも、毎回職場を覗くのはやめてほしい」
「えぇ?」
「そもそも覗く必要ある?覗いてなんかいないで、いろいろ見て歩いた方がいいと思うんだけど」
「んー⋯。じゃあ、新しい服を買ってください。この格好でうろうろすんのは目立つなぁって思うんですよ」
「⋯わかった。それには激しく同意するから」
「ありがとうございます!」
「日本に来れるとはいえ、滞在時間が短いし、また買っておく感じでいいかな?」
「それでお願いします!」
⋯なんだろう。買う方向に誘導されてる気がしなくもない??
「時間が短いで思い出しました!」
「な、何を?」
「やっぱり二人とも!位階を上げないといけないって!」
「ん⋯⋯位階を上げれば、多分時間が延びるもんね」
「そうです!だからまだ!ゆっくり買い物に行く事もできない!」
「⋯⋯そうね」
サシャさんは基本の移動時間が十分。二人のボタンを使って合計二十分。それもうまいこと連続させれば、の話だ。くっついて一緒にくるのは大丈夫だけど、ボタンの場合は多少離れる可能性が高い。そのあたりはいずれ検証をしてみたい。
「だから!いっその事!魔物の洞窟に行きましょう!」
「?!どうしてそうなるの?!村の近くにでる魔物退治してたらいいんじゃない?それにサシャさんは聖魔法だし、どうやってあげんの?!」
攻撃できる魔法でも使えるようになったのか?それとも、俺の怪我待ちか?!
「とりあえず!ユウジさんにたくさん退治してもらう方向で行こうかと!それには魔物いっぱいの洞窟のほうが効率がいいはず!位階をあげたら、何かまた追加されるかもしんないですし!⋯私は私で普段の仕事をそれなりに頑張りますし」
「それなりって⋯」
「それなりです!」
そこでドヤらないでほしい。
「⋯⋯またダヌさんを連れてくの?」
「そうですねぇ。そうしないとユウジさんがいなくなった途端、攻撃手段がなくなりますし」
「それならやめたほうがいいんじゃ⋯」
「いえ!何か新しくくらって追加もさせないと!」
新しくくらうっておい。⋯⋯⋯あっ。
「あのさ、風とか土とか他の魔法を使える人いないの?」
「風とか土ですか⋯」
「いや、ほら火と水ってきたから、風と土も使えたらなって」
せっかくだしね。ゲームとかでも基本の四属性みたいじゃない?⋯って言っても伝わらないだろうから、言わんけど。
「うーん⋯。普段の村にはいたような、いなかったような?あまり使ってるところを見ませんからね。でも、魔物対処で他の町の人も来てるし、いるかも?」
「とりあえず、わかんないってことね。まぁ、いればでいいんだ」
二人で部屋に戻ったので、タブレットを渡す。
「あ、さっきの服の件だけど、今のうちにまた見てもらおうかな。ある程度はこういうのがいいとかあれば助かるかな」
「やらいでか!」
え、そんな言葉、あっちにもあんの?!
⋯とりあえずスルーする事にする。
「そういえば、あっちでは夜景とか見れんの?」
「夜景?夜って事ですよね?ほとんど真っ暗ですけど?」
「あ、そうだった。いつだったか、夜に行ったわ⋯」
「そういえば、ユウジさんの部屋は夜でも明るいですよね」
「あっちとは灯りが違うだろうね」
「おっと!今はそれより服を見てたんだ!!」
「あ、ゴメン」
「まだ時間ありますよね?!」
「た、たぶん?」
「こんなの似合いますかね??」
見せられたのはゴスロリみたいの。どっからこんなのでてきたんだろう。
「いやー、どうだろ。似合わないかもよ」
そういう趣味の人には申し訳ないけど、一緒に歩くのはしんどい。
「むむむっ。そうかなぁ」
「まぁ、合成してみようか」
サシャさんの写真と合成してみる。日本人とは違うからか、似合わなくはない。似合わなくはないが、嫌だ。
「えーと、悪くないけど普段着る服って感じじゃないんだよ。ニホンで見かけてないでしょ」
「まだそこまでたくさんの人を見てませんが、確かにこの服装は見てませんね」
「そう!だから見かけた人の服を参考にするのもいいかもね」
「じゃあ、ニホンにいる間にシャシンとれませんかね?!」
「人を勝手に撮ると怒られるんだよ」
「??そうなんです??」
「⋯⋯⋯変な顔をしてる瞬間を撮られ、知らない内に不特定多数の人に見られてたら??」
「!?それは困る!!」
「まぁ、簡単に言えばそういう事」
「ほぇ〜」
「まぁ、風景とか撮るのはいいね。写真は考えとくね」
「お願⋯」
またタブレット持ったまま消えていった。
ーーーーー
「⋯いします!⋯あ?」
また見れなくなっちゃう!?まだ見れる?!
「あ、ミラ!私に似合う服を探してください!」
「んん?服?」
「買ってもらうんです」
「どれどれ⋯。綺麗だね。⋯⋯お、これは」
ミラが触った途端、画面が変わり、何やら文字が表示された。
「あ、ごめん」
「なんっ⋯⋯てこった⋯⋯」
こうなれば諦めざるをえない。⋯⋯くぅっ!
「あれ、トカゲかな?」
「え、トカゲ?」
「ほら、これ。って動いた?!」
ミラが触ったらトカゲが動き始めた。と、思ったら、何かにぶつかって止まってしまった。
「なにこれ」
「なんだろうね」
「もう一回触ってみるね」
「動いた?!あ、飛んだ?!」
「触ると飛ぶの?!」
「あー、ぶつかった?!」
何度か触ってみたら、トカゲが可愛く見えてきた。ぶつからないでどこまで走らせる事ができるかな。⋯⋯⋯⋯⋯⋯って、
「違うの!トカゲは可愛いけど!」
「サ、サシャ?」
「服が見れなくなった!!」
「そ、そうだね」
「それは仕方ない!」
「し、仕方ないね」
「⋯⋯⋯あ、近々洞窟行こうと思ってるんですけど 」
「?!なんでよ!?」
「ユウジさんに魔物たくさん退治してもらおうかと。さっき言っておきました」
ミラにも言ったし、ダヌさんにも言っておかないと。
「⋯そういえば、魔物の洞窟ってなくす事できないんですかね?」
「えぇ?!いろいろ急だなぁ。⋯⋯解決出来たって話を聞いた事はあるけど、騎士団とか総出で何日もかかったりしたらしいよ?」
「そうなんですね」
「王都の近くだからって、どうしてもなくしたかったみたい」
「つまり、できなくはないと。知らなかったです」
村の近くの洞窟はどうなんだろう?同じくらい大変なのかな?行ってみればわかるかな?
「とりあえず!洞窟はそうでもしないといけないとこなんだよ!危ないの!」
「んー、無茶はしないから大丈夫ですって。それにほら、私もユウジさんも珍しい能力もらってます。流石に神様も死なせるような事はしないんじゃないかなって」
「⋯うわ、なんにも確証がないやつだ」
「ミラは心配性ですねぇ。私だって死ぬのは嫌ですよー」
「⋯⋯⋯⋯⋯」
よし、明日からたくさん治療しよう。治療する人がいなかったら、なるべく痛くしないようにしてから自分を治療する。今までもたまにしてたけど、時間延長のためにはもっとやらないと!




