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数分間しか、いれません!  作者: うちの生活。


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20/46

20 じゃ、そーゆー事で

 ピンポン。


「あ、ユウジさん。ちょうど良かった」


 今日は聞き覚えのある声がした。サシャさんだ。そして、景色にも見覚えがある。最初の村の教会だ。


「サシャさん。この教会ってことは⋯戻ってきたの?」

「そうなんです。この村の近くにも魔物の洞窟が出来たとかで、急いで戻ってきました」

「魔物⋯」


 魔物と聞いて、先日の件が思い出される。この村でもとなると、遭遇してしまう確率があがる。穏やかに異世界を楽しみたいんだけどな⋯。


「とりあえず、治療するのを手伝ってもらえますか?」

「わ、わかった」


 サシャさんと回復をかけまくる。この村でこんなに回復をかけまくった事はない。


『回復』


『回復』


『回復』


『回復』


『回復』


「ユウジさん。とりあえず治療は終わりですね。休憩しましょう」

「わかった。これからも治療に来る人はいるのかな?」

「多分来るかと。でも、ユウジさんも手伝ってくれたので、なんとかなると思いますよ」

「ならいいんだけど。でも、仕事ある日は遅くなるから手伝えないかもしんないよ?」

「時間経てば魔力は回復しますし、なんとかなりますよ。まぁ、どうしてもダメな時は待っててもらいますし!だから、遅くても来てほしいです!」

「えぇ⋯、なんか責任感じるなぁ⋯」

「半分冗談、半分本気です!」


 移動に備える為か、がしっと掴まれた。近くなったサシャさんの顔は冗談を言っているようには見えない。⋯半分どころか、多分全部本気なんじゃないか。


「まぁ、ミラにも来てもらいますしね。あっ」


 部屋に戻ってきた。分かりやすくそわそわしているが、それには触れないでおく。


「⋯村に戻ったのって昨日なの?」

「そうですよ。ユウジさんに火をつけたダヌさんが迎えにきたんです」

「その言い方どうなのよ⋯⋯。どうやって移動するの?馬とか?」

「馬ですよ。こう見えても、ちゃんと乗れるんですよ」


 おっと、ドヤ顔だ。⋯まぁ、失礼ながら馬に乗れるなんて思ってなかったけど。⋯でも、だとすると、だからなのか。


「昨日、あっちに行ったんだけどさ」

「え?会ってませんよね?」

「うん。会ってない。でも、見かけたかもしんない」

「どこで??」

「多分、移動中だったんじゃないかな」

「移動中??」


 あっちに行ったら荒野だった事、何かが走っていくのが見えた事、走ってくる魔物に遭遇した事を説明した。


「私の近くとはいえ、いつも目の前ってわけじゃないですしね。私が移動してたらそうなるって事なのかな。って、魔物?!どうしたんですか?!」

「⋯うん、なんとか倒したよ」

「すごい!倒せたんです⋯」


 あ、消えちゃった。しょうがないね。



ーーーーー



「⋯か!?⋯⋯あれ?戻ってきちゃった?」


 いや、そんな事より!ユウジさんが魔物を倒した?どうやって?炎?水?突進?⋯あ、防御力上昇使ったのかな?だったら、多少攻撃されても回復できるし。状態に何か変化あったのかな?!あーー、気になる!!あーーー!!!


「サ、サシャ?一人で何してるの?」


 声には出さなかったけど、態度には出ていたようだ。話しかけられる声からは戸惑いを感じる。


「⋯⋯え?なにも?ミラこそ、今着いたんです?」

「そうだけど⋯」

「じゃあ、早速仕事をしますか」

「え?今のところ、治療が必要な人はいなさそうだけど⋯」


 あ、そうだった。ユウジさんに手伝ってもらったから終わったんだった。⋯⋯んーーー、あっ!


「あ、じゃあ、相談があるんですけど⋯」

「な、なに?」

「えとですね⋯⋯⋯」


 待っててください、ユウジさん!



ーーーーー



 帰宅してからのぽちっとな。


「さ、魔物を退治しに行きましょう!」

「⋯はい??」


 何言ってんの?いきなりこの人何言ってんの?


「魔物を倒せたんですよね?じゃあ、倒しに行きましょう!って事です!」


 ドヤァッとしている。


「⋯いやいやいや、なんでよ、こんな時間に嫌だよ。いや、早くても嫌だけど」


 仕事終わりに魔物退治。


 そんなサービス残業はゴメンだ。


「いやぁ、流石の私でも今から行きませんよ。早く来れる時に、時間を決めて行きましょう!」

「⋯一応聞くけど、何で?」


 サシャさんのことだから、もう行くってのは確定だろうけど言い分を聞いておこうじゃないか。


「小さな村なので、対処できる人が少ないんです」

「おぉ、サシャさんが最初に現実的な話をだしてくるなんて⋯」

「まだ魔物は村の外にいます。でも、このままだと村の中に入ってくる可能性もあって」

「ほーぅ」

「可能な限りは減らした方がいいかなと」

「ふんふん。それって根本的な対策ってないの?洞窟つぶすとか」

「聞いた事がないです」

「やれないのか、やっても意味がないのか、誰も考えなかったのか⋯」

「どうでしょうね。洞窟の中にはすごい数がいるらしいですし」

「あ、そう言ってたね。じゃあ無理なのかな」


 今後も穏やかな異世界を楽しむには、ある程度の対処はした方がいい、と。んで、それを手伝えるほどには能力がある、と。はぁーー⋯⋯。


「⋯⋯んで、ほんとのとこは?」

「!!?そりゃ、もちろん!!ユウジさんが位階上げまくって!!能力使いまくれるようになって無双するところを近くで見てみたいっっ!!!!あわよくば、私も位階をあげたいっ!」


 はい、いただきました。それでこそ、だ。


「⋯⋯誰か一緒にいくの?二人じゃないでしょ?」

「そうですね。ミラとかダヌさんとか?」

「そこらへんは任せるよ。俺がいなくなっても危なくないようにしないと」

「⋯⋯は?!そうですね?!そうだった!」

「危ねぇ⋯。とりあえず!明日明後日は昼の二時にはこれるから、どうするか考えてて!時計あるよね?」

「は、はい!」

「じゃっ!」

「え⋯⋯」


 掴まれる前に急いで教会をでた。もう今日は一人で戻る。お腹いっぱいだ。


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