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数分間しか、いれません!  作者: うちの生活。


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17/37

17 あー、そういう反応

 ピンポン。


「そういえば、位階が五になりましたけど、いつの間にか四にもなってたんですね」

「あ、そうなんだよ。普段から水は使ってたんだけど、最近は突進も使い始めてね」

「水はわかりますけど、突進を?」


 ぽかんとしている。確かに本来は普段使いするようなものではないだろう。突進して相手を攻撃するようなのだし。


「仕事や買い物の行き帰りにね。少しの距離だけなんだけど、歩くより速いし、走るより楽なんだよね」

「そんな使い方を⋯」

「とまぁ、普段使うようにしてたら、位階が上がってましたと。火もねぇ、うまく使えればいいんだけど」

「じゃあ、やっぱりいろいろ能力をくらわないと⋯いえ、体験しないといけませんね!」

「⋯⋯⋯まぁ、そうだね」


 今、くらわないとって言ったな⋯。過激じゃない事を祈る⋯。


 祈ったところで、サシャさんには通じない事はわかっている。それでも祈らずにはいられない。⋯あと、どうせ、どうせくらうなら、生活に役立てられるものならありがたい。


「あ、サシャさんはさ、いつもその格好だけど、他にも服は持ってるの?」


 今日聞いておきたいのは、こっち。くらうくらわないといった物騒な話はまた今度にさせてくれ。


「服ですか⋯。これは替えがいくつかあるんですけど、それ以外は寝る時の服ぐらいですね」

「そっかぁ。いやね、日本でさ、どっか行こうとしたら、その格好だとかなり目立つかなぁって」

「そうなんです?」

「多分ね。見かけた事ないもん」


 ⋯コスプレとしてならギリいけるか?どうせ数分間だしな。⋯いや、そんな勇気は⋯。


「私はこれで別にいいんですけど」

「⋯ちょっと考えとくね。俺が女性の服買うのも⋯」

「ぜひ!買ってください!」


 おっと食い気味にきたな。別にいいんじゃなかったんかい。


「ちなみに他の服を着たらダメって事はないよね?」

「聖女としては、この服装って事で支給されてますけど、そうじゃない時は別に大丈夫だと思いますよ。だから、ぜひ!」

「んー、じゃあ、写真撮らせてくれる?似合いそうなのを考えとくから」

「いいですよ!ぜひ!」


 壁を背にして、全身の写真を撮らせてもらった。


 「じゃあ、通販サイトの画像でも合成でもしてみるかな」


 んで、良さそうなら買ってみると。サイズはよく分からんし、MとかSとかでいいかなぁ。⋯って、過去に付き合った彼女にも服なんて買った事ないのに、何してんだろ、俺。⋯⋯あれ?なんだかんだで、サシャさんにいろいろあげてんな。⋯⋯⋯まぁ、一応命の恩人だし、ちょっと残念だけど綺麗な女性と仲良くできてるって事で良しとしておくかな。ちょっと残念だから、どうにかなりたいとかはない、はずだ。


 何枚か撮った写真を興奮気味に見ているサシャさんを見てると、どうしても叫んでる姿が思い出される。


 うん。残念というか、なんというか。なんて言ったらいいんだろう。⋯⋯やはり、残念か?


 そんな事を思っていたら、時間が近くなっていたらしい。肩をがしっと掴まれた。時計を活用するようになっていたようだ。いろんな意味でちょっと怖い。


「今日はミラがいませんし、ちゃんとニホンを堪能しますよ!」

「え、あ、うん。堪能してるかわからんけど」

「あれ??ユウジさん、今日は誰かいるんですか?」

「え、誰もいないよ?」


 つけっぱなしにしていたテレビではニュースが流れていた。


「人の声がしますけど⋯⋯!?テレビの中に人が入っている?!」

「あれ?前に写真を見せたテレビだけど⋯」

「テレビって写真を見る為のものじゃないんですか?!」

「写真も見れるけど、主には⋯」

「え?熊?!ユウジさん!危ない!」

「あーー⋯⋯」


 外国かどっかの、未開拓の部族とかにもテレビを見せたら、同じような反応をするのだろうか。いや、今の時代、そんなのいるのか??とりあえず、説明がめんどくさいぞ。


 近くにあったタブレットで、急いで女性ものの服を検索して見せた。


「⋯えーと、こんな風にいろんな服がね、見れるんだけど」

「シャシン!!⋯はー、ニホンの服はこんな感じなんですねぇ」

「今着てるのとは違うかな。村の人とも違うんじゃないかな?」

「確かに。作りもそうですが、質も違いそうですね」

「こんな感じので、似合いそうなのを買ってみるよ」

「⋯⋯こんなのもあるんだ。へぇー、こんな色の服でも⋯⋯」


 よし。テレビからは意識が離れたぞ。


「⋯これ、私に似合うのかな⋯」


 こうして見てると、普通の女性なんだけどな。あっ⋯。


 タブレットを持ったまま、消えてしまった。


 持っていくのは別にいいんだけど、ネット繋がらないから見れなくなるだろうね。操作も分からんだろうし。



ーーーーー



「あれ?ユウジさん、画面が見れなく⋯」

「サシャ、どうしたの?」

「あれ?ミラ?戻ってきちゃった?」

「戻って?⋯あー、ユウジさんと会ってたんだね」

「そうなんです!私に服を買ってくれるとか!」

「え?服?」

「そうなんです!これで見てたんだけど、見れなくなっちゃって」

「⋯ユウジさんがサシャにって、やっぱりそういう⋯」

「??ミラも欲しいの?」

「いやいやいや!私は大丈夫!ユウジさんがサシャにって言うなら、私は大丈夫!」

「??そう??」

「うん!大丈夫!」


 そっか。なんか変??⋯⋯あ、シャシンを見れたって事はこれもテレビなのかな?⋯⋯あ、熊どうなったのかな?


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