7.そして、ハッピーエンド、なの♪
GM:ではーバニラさん。
バニラ:はいなー。
GM:帰り道ですが!
バニラ:こちら、現場のバニラです!
GM:冒険者知力で判定どぞ。
バニラ:ええと。かえる前にちょっとやっとこうかなと思うことが。
GM:ほい。先にやることをどぞ。
バニラ:執事さん、衛兵を集めているのを見たのですよね?
GM:うん
バニラ:屋敷の一角にでも集めている感じ?
GM:いや、館の前かな。
バニラ:ちょこっと様子を見てみるけれども。どんな感じ?
GM:「この近くまで来てる可能性がある!」とか叫んでる。
バニラ:「……まずいなぁ。やっぱり、セリスさんの事、探してるんだろうなぁ……・。ちょっとだけでも足止め、できるかな……」。1.物陰に隠れる。2.ララバイの呪歌を歌う。3.ズラかる! 以上(笑)。
GM:達成値をどぞ(笑)。
バニラ:(ダイス振る)うーん。期待値。
GM:(ダイス振る)地方の衛兵sでは太刀打ちできなさそうだなぁ。
バニラ:寝てくれました?(笑)
GM:寝た。ぱったり寝た。
バニラ:「……うん。今の内っ」。だだだだー。で帰る!
GM:ついでに衛兵が一人、尾行しようとしていたらしきのが寝たのも分かった! 冒険者知力判定が不要になった(笑)。
バニラ:なるほど(笑)。じゃあ、無事に合流できたでOK?
GM:ほい。というわけで戻った。合流。
バニラ:「……ただいま」
エクレア:「あ、バニラ、無事だったんだね、よかった!!」
BB:「状況は?」
エクレア:「ふう……心配したよ~」
バニラ:「うん。私は大丈夫だけど……。ちょっと街の方は大変な事になってる」
エクレア:「うん? どんな感じなの?」
バニラ:「妙な噂があって……(かくかくしかじか)レッサーオウガが……っていうのと。あと、執事さんにセリアさんの事、知られちゃって。兵士を集めているの。……何とか歌で眠ってもらって逃げてきたけど……」
エクレア:「ふーん、なるほど、なるほど……って、えーっ!?」
バニラ:「……それと、領主さんには会えた。……それで、私達に遠くまで逃げて欲しいって依頼してきた」
エクレア:「それは困ったなぁ……そうすると、残る手段は……」(ぶつぶつ)
バニラ:まあ、全部伝える。(笑)
エクレア:「ふーん、わかった。じゃあ、やっぱり……全部、素直に話そう」
バニラ:「……どうしようか。……ごめんね。私が執事さんの前で色々しゃべちゃったから、状況複雑になっちゃった」
エクレア:「うん、それなら、もう仕方ないよ。素直に全部話そう」
バニラ:「……素直に?」
エクレア:「うん、ただし……えっと、セリスさん、町に物知りな人、いる? しかも数いるほうがいいな。あのね?」
GM/セリス:「それなりに学識のある方はいらっしゃいます」
エクレア:「コボルトは蛮族じゃない? でも、コボルトは町にいても、殺されたりしないよね?」
バニラ:コボルトは人の生き血をすすらないからなぁ。
エクレア:「コボルトは……人間に害を与えないことを知ってるから……。つまり、セリスさんが狙われたのは、害のある蛮族だと、間違われたからでしょ? だから、その噂をまず否定してもらう」
バニラ:「素直に話すってそういう意味ね」
エクレア:「うん、町の人全員に全てを話すのは難しい、と思う。その執事さんを含めた、一部の人をまず説得する。その上で、蛮族を退治してみせよう。町の人には、セリスさんに化けた蛮族はあたし達が退治した、といえばいいよ」
バニラ:「蛮族を退治する……? でも……。上手く信じてもらえるかな……」
エクレア:「それは説得と、詳しい人に上手く話をつけられるか、かな。大きい町ならでも、それなりに信頼があって、学識のある人、いると思うんだ。どうかな? ビービーはどう思う? とりあえず、執事さんに知られちゃったから、ただ単純に蛮族退治してみせるだけじゃ駄目だと思うし?」
BB:「一般大衆を説得するのは、現在流れているレッサーオーガの噂を利用すればたやすいだろう」
エクレア:「うん」
BB:「逆に難しいのは執事の方だな。反応から見るに執事が恐れているのは面子だ。セリスが蛮族であるというだけでそれが彼にとっては抹消する罪になりうる」
エクレア:「蛮族だから、って抹消しろなんて、神は教えてないでしょ、バニラ?」
バニラ:「ライフォス様はね。蛮族とさえも融和を望んでたって聞く。……でも、教会は蛮族を否定しているの」
エクレア:「執事さんの説得は、あたしの言った方法じゃ、不十分かなぁ……」
バニラ:「だから、色々難しいかもしれない……」
BB:「すでにその執事は主人の命令すら聞こうとはしていない。ましてや神の言葉などききはしないだろう」
エクレア:「そっかぁ……じゃあ、別の方法、考えないと……」
バニラ:「……うん。でもあんまり時間はないよ。目が覚めたら、やっぱり兵士の人、探しにくると思うし」
BB:「その前に依頼主にききたい」
GM/セリス:「……はい?」
BB:「貴女は今後をどうしたい?」
GM:「……一番大切なのは、皆に迷惑をかけたくないという事です。そして、その次に私は……死にたくない。私のせいで、私を救ってくれたお父様に迷惑をかけたくない。ミディアにも」
BB:「了解した。ならば答えは簡単だ。逃げよう。この街に継続して住むのは理論的に考えて非常に厳しい」
バニラ:「うん……。確かに」
エクレア:「うーん……悔しいなぁ……。でも、反論できない……」
BB:「近隣の街に身分をかえて住むのが一番だろう。ただしこの場合も執事が追っ手を出す可能性がある。そう悔しがる必要はない。領主とも今生の別れとなるわけでもあるまい。」
バニラ:「まあ、人の噂も四十九日だよ。いつかほとぼりは冷めると思うの」
BB:「旅行と称して会うことは可能だろう。ああ、バニラのいうとおりだ」
エクレア:「う、うん……それなら、いいか」(納得した顔をする)。「わかった、ミディアさんもそれでいい?」
GM/ミディア:「……私は」
BB:「巻き込まれるのがいやならば君はこの町に残ってもいいのだぞ?」
バニラ:「ミディアさんが蛮族でない事は、私が証明できると思う。ライフォス様の魔法に、蛮族がいたらわかるの、あるし」
エクレア:「正直、一時しのぎでここに住むことなら、あたし、幾らでも案出せるよ。ビービーたちに協力してもらえば、その案、成功すると思う。でも、一時しのぎにしかならない、というのは、納得しちゃったから……。それって、セリスさんは幸せじゃない、と思うの。今、考えてあげるのは、セリスさんが幸せに暮らすことでしょ?」
GM:「セリスの幸せ……追っ手がかからなくなれば……」
エクレア:「それなら、一旦、町を離れよう?」
BB:「追っ手の問題はその執事だけだ。それに関しては案がある。なんとかしよう」
エクレア:「うん? さすが、ビービー!」
バニラ:「何かいい案、あるの?」
GM:「なんとか……なるんですか?」
バニラ:こっそりと消す……げふげふ(笑)。
エクレア:いやん><
BB:「別に難しいことではない。脅迫状を書く」
バニラ:「きょ、脅迫状っ!?」
エクレア:「脅迫状……?」
BB:「今後、セリスが殺害されるようなことがあれば、冒険者のネットワークを使って国中に、セリスがラミアであったことを暴露する。あの手の連中が恐れてるのは自分の面子だ。結局はそれをつぶされたくないがために、セリスを先に消そうとしてるにすぎない」
バニラ:「えと。そうなると、社会的な信用を失う?」
エクレア:「そっか、なるほど」
BB:「知らなかったとはいえ、何十年も蛮族と一緒にいたのだ、これがばれればあの執事を雇うものなどいなくなる」
GM/ミディア:「……分かりました」
バニラ:「……BBって時々、すごいこと考えるね」
エクレア:「時々? いつもいつも♪」
バニラ:「……いつもかぁ」
GM/ミディア:「私は皆さんの優しさを信じました。今度は、その判断も信じさせて下さい」
エクレア:「うん♪。この冥土服美少女戦士メイドースターズに任せておいて!」
GM/ミディア:「……手帳、返してもらっていいですか。今、見られるのはちょっと恥ずかしいです」
エクレア:「あ、いいよ」(はい、と渡す)
BB:「もっともかわりに私たちが狙われるかもしれないが、、、まぁ根無し草の我々にはたいした害はあるまい」
エクレア:「あたし達は正義の味方だよ。悪に狙われるのはいつものことだよ♪」
バニラ:「……だね。もう、自分でもどれだけ悪人の恨み買ってるかもわかんないよ」
エクレア:「美しくて強いあたし達を悪はほといってくれないからね。ああ、あたし達って、罪な女……」
バニラ:「ひとつふたつ増えても今更、かぁ……」
エクレア:「うんうん♪。そうそう♪」
BB:「もっとも報酬はしっかりともらうがな。これ以上の赤字財政ではチームが干上がるのも時間の問題だ」
エクレア:「はーい♪。わかった!」
エクレア:「じゃあ、脅迫状は今度はあたしが出してくるね♪」
バニラ:「やっぱりメイドスターの名前で出すの?」
BB:「やめておけ」
エクレア:「えーっ……」
バニラ:「うん。やめとこう。恥ずかしいからっ!」
BB:「2:1多数決でこちらの勝利だな」
エクレア:「もう……正義のヒロインは堂々としてないといけないのに……はーい、わかったわよ~。じゃあ、着替えて……人畜無害な冒険者のふりをして、出してくる!」
バニラ:というわけで、脅迫状は無難に出したっ!!
エクレア:とこんな感じで!
GM:というわけで。まとめに入っていいかなー?
エクレア:いいよ!
バニラ:良いよー。
GM:はい。では。
ここからはGMの語りです!
※ ※ ※
セリスとミディアは、無事に離れた地へと送り届ける事ができました。それが遠いのか、近いのか。それは皆さん次第ですが……。
脅迫状の結果。少なくとも表立って、兵士が動くという事はありませんでした。もしかしたら数年後に裏で暗躍する何かが発覚するかも分かりませんが……。
それはまた、別の話となります。
少なくとも「今」の時間。
セリスとミディアは安息の時間を得る事ができました。
それは、皆さんが選んだ選択肢の結果。
ミディアの手帳には、こう書かれています。
「すみません、私がセリスに化けて街を逃げ回るので、人の目の多い場所で討ち取って下さい。……そして、魔法が消える前に死体の処分を。ご迷惑を、おかけします」
この決意が果たされていたら……。セリスには、幸福が訪れていたか疑問です。
ですがもしもの世界であり、今はセリスは幸福で……。見事に護衛を果たせたといえるでしょう。
「ラミアの願い」
END