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投稿者:村山かおり(仮名) 大木戸博(仮名)

 村山かおり(仮名)


 高橋ディレクター、五条アシスタント、堀江カメラマン。

 初めまして、私が大学生の時にあった不思議な事を送らせてもらいます。

 年齢がバレるので具体的には記しませんが、京都にある有名大学に入学と同時に、私は一人暮らしを始めました。田舎町から引っ越して、大学近くの学生マンションに住むことにしました。が、ずっと実家で暮らしていてからの急な一人暮らしは、やはりすぐ寂しくなるもので、サークルに入り、彼氏を作りました。

 同じサークルの二つ上の先輩です。

 そのサークルというのは、定期的に写真を撮るサークルなのですが、学生の彼にはカメラがなかった。その当時のカメラというと、高価なもので、とても学生の身では買えなかったのです。しかし、彼は近くの中古ショップでカメラを何とか手に入れたそうです。

 それがあったから、「ポートフォリオを作れる」と思ったのでしょう。

 ポートフォリオとは言っても、素人が作る簡単な写真を取り纏めたような作品です。

 私を主演として学生の1日をテーマにしたのです。しかし、気になる事がありました。

 知らない人が映っている。 

 例えば、街角での風景を撮っているにしても幾人か通りを歩く人が映り込むのはわかります。しかし、それであっても、人の気配があまりない路地裏であったとしても人が映り込むのです。それも同じ人が映り込む。本当に映り込む、という表現が的確で、街頭インタビューで後ろの方にいる人のような感じなんです。

 つまり、遠くにいる。

 でも、不思議と同じ人であるというのがわかる。

 写真ですが全て処分することになりました。

 私が不気味になったというのもありますが、彼氏は怒り出したのです。

 予定していない人が映っているのが許せない、と。

 それが原因で彼氏とは別れたので、良かったとも思います。

 カメラがどうなったかは知りません。


大木戸 博(仮名)


 高橋ディレクター、五条アシスタント、Vol.1を拝読しました。

 さて、不気味な話というと一つあったので送ります。

 私は土木工事の仕事をしており、その仕事柄廃屋の解体に関わることが多いのですが、その家の一つでの出来事です。昨今の空き家問題からか、私が仕事に関わるのもそういう空き家の解体が多くなってきました。空き家解体で問題になるのは、中の動産です。言ってしまえば、持ち主不明の忘れ物。

 私がその中のゴミともいえる動産を処分するのを担当していた時の話です。

 ある家の解体に関わることになりました。それは街道沿いの一軒家、廃屋です。

 その家も中には箪笥であったりと、残留物が多かったのです。それを一つ一つ、てきぱきと、搬出していくのですが、その中に一つ気になるものがありました。

 アルバムです。

 そのアルバムは、机の上に置いてあったのです。普通、アルバムを机の上に置いておくという事はないと思うのですが、埃が積もっている事から、何か訳があって、長い間、そこに置いてあったのでしょう。

 アルバムがあって、あまり、こういうことをしてしまうのはよくないよな、と思いながらもですが、好奇心は抑えきれずに、ついつい、そのアルバムを開いて中を見ました。

 なんてことない写真がとじられていました。

 多くの写真は街の風景を撮影したものです。見る人が見れば、きっと芸術の評価をしてくれるかもしれないけど、私はそういうのには明るくない。同じ作業員もそういうのはさっぱりで、とっとと回収しようと思いました。

 けども、同じく作業していた同僚が「あれ?」と変な事を言い出した。

 同じ人が映っている。

 どの写真にも同じ人が映っているのです。

 しかも、それはその人にピントを合わせたような写真ではないというのに、どの写真にも写っている。

 それがいやに不気味に感じられたのを覚えています。

 落ちも山もない話で申し訳ないのですが、これで投稿を終わります。

 その空き家は無事に解体できましたので、とくに変な事とかはなかったです。

 アルバムについてはどうなったかは知りません。

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