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第2部 10 イノベーティブな理想①

 由美は19時前に富山駅を出る特急に乗り、東京への帰路についた。

 出発してすぐ、今回の取材内容をパソコンにまとめると、名刺入れから取り出した久保田の名刺を手に、デッキに向かう。

 名刺に書かれた携帯電話の番号に電話をかける。

 コール音は聞こえるものの、誰も出ない。由美は英語の留守番電話案内を聞いてから、「今、佐伯玲と高木瑠香に関する記事を書いており、一度話を窺いたいと思っている」とメッセージを吹き込む。

 電話を切った由美は、真っ暗な窓の外を眺めながら、「佐伯由美としてであれば、会えたかもしれない」と考えたが、記者としてのプライドから憚られた。

 座席へ戻ろうとした所で、携帯電話が震えた。画面を見る。今掛けた番号からだ。

――はい。週刊プレスの中川です

――久保田です。お久し振りです。ご連絡いただいたようですね

――はい

――急な話ですが、今晩どこかでお会いできませんか?

――今夜ですか?

――はい

――私は今地方から戻る途中で、東京に着くのが22時半とかですが……

――こちらとしてはその時間でも構いません

 久保田の急いた様子に、由美は若干の違和感を覚えながらも、その申し出は渡りに船だった。

――わかりました。場所は以前のマンションですか?

――いえ。場所と方法については、後ほどSMSでお知らせします

 由美は通話の切れた携帯電話を見つめる。出来過ぎの展開に、これも一種の罠ではないかと疑う。

 だが、私と久保田が会うとして、リスクが大きいのは、明らかに向こうだった。

 由美は座席に戻ると、質問の内容をノートにまとめ始める。


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