世界の理
初めて投稿します。
この話は、自分好みの女の子が自分好みに異世界で暴れるだけの文章なので、世界観も小道具も何もかもそのために存在します。
そんな文章ですが、楽しんで頂けたら幸いです。
その世界は、人が生きるには厳しい世界と言えた。人が歴史を刻む以前より、野には巨竜がのし歩き、空も海も巨大な飛竜や幻獣、古代龍と呼ばれる化け物たちが支配していた。
この世界で、人はただの餌でしかなかった。
そんな状況でも人は寄り添い、知恵を出し合い、苦難に立ちむかっていた。数多の命を代償にかろうじて滅びを免れていた時代が長く続いた。
そんな幾多の命が巡る中、あるとき人はこの世界の法則の一つを見つけた。
「魔法」である。
この世界には不可視のエネルギーが存在したのだ。風のように大気を巡り、大河のように台地を流れているそれを、人は「魔素」と名づけた。
飛竜のいくつかの種類が炎を吐くのも、幻獣が雷を纏うのも、すべては、この「魔素」を己の内なる「魔力」で操り、顕現させているからであった。
このことに気付いた人は、そこから長い年月をかけ研究を行い、「魔法」を技術として体系を確立していった。
わずかな天才が「魔法使い」などと呼ばれ、人々から英雄視されていた時代から数千年。
機械工学、科学技術すらも手に入れ始めた人は、それらを統合し体系化した「魔導科学」を武器に、一転、世界の覇者への階段を上り始めた。