表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/280

第92話 今日のお風呂は?

 私は風邪を引いて、クラーナに看病をしてもらっていた。

 夕食も食べられて、私は順調に回復していると思う。


 そんな中、お風呂の時間がやってきた。いつもなら、二人で一緒に入る所だが、今日はそういう訳にもいかない。


「クラーナ、私はお風呂に入らないから、今日は一人で入ってね」

「え? ああ、確かに、お風呂は駄目ね」


 風邪を引いている身で、お風呂に入るのは危険だ。そう判断した私は、クラーナにそう言うことにした。

 クラーナも理解しているのか、ゆっくりと頷いてくれる。ただ、少し考えるような仕草をしているのがどういうことなのだろうか。


「今日は私もやめておこうかしら……」

「え?」


 そんなことを考えている私に、クラーナがそう言ってきた。どうやら、クラーナもお風呂に入らないつもりのようだ。


「どうして?」

「だって、アノンと離れたくないもの」

「え……」


 クラーナは私と離れないために、お風呂に入らないらしい。その理由は、流石にどうかと思ってしまう。


「私は大丈夫だよ? お風呂なんて、数分だし、そんなに問題はないよ」

「アノンが大丈夫でも、私が大丈夫じゃないわ。こんな時に離れるなんて、心配でどうにかなりそう……」


 お風呂を勧める私に、クラーナはそんなことを言ってきた。

 どうやら、私のことをかなり心配してくれているらしい。少し心配しすぎている気もするが、それ自体はとても嬉しいことだ。

 ただ、お風呂に入らなくて、クラーナは大丈夫なのだろうか。


「でも、いいの? お風呂に入らないと、匂いとか汚れとか、色々大変だよ?」

「問題ないわ。犬の獣人は匂いなんて、気にならないもの。この嗅覚で気にしていたら、大変だもの」

「まあ、そっか……」


 犬の獣人は、人間よりも鼻が効く。そのため、多少の匂いなど気にすることなどないのだろう。

 というか、クラーナは私がお風呂に入らなかった時、匂いが濃くなっていいとさえ言っていた。つまり、匂いについては何も問題がないということだ。


「ただ、汚れについては気になるかもしれないわね。まあ、後で体でも拭きましょうか。それで、汚れも匂いもなんとかなるはずだし」

「うん。それなら、いいかな……」


 汚れについては、クラーナも気になるらしい。だが、体を拭いて汚れを落とすつもりのようなので、とりあえずは大丈夫なのだろう。


「アノンの体も、拭いた方がいいわよね」

「あ、うん。お願いできるかな?」

「ええ、もちろんよ」


 体を拭いて欲しいのは、私も同じだった。

 先程から汗などによって、体はかなり変な感じだ。本来なら、お風呂に入って洗い流したいのだが、それができない。

 となると、体を拭いて少しでもすっきりしたいのだ。ただ、体が動かしにくいので、クラーナに頼むことになってしまう。


「それじゃあ、早速拭きましょうか。準備するから、少し待っていてね」

「あ、うん」


 そう言って、クラーナは部屋を出ていった。恐らく、すぐに戻ってくるだろう。

 こうして、私はクラーナに体を拭かれることになるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ