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第9話 湯船につかる前に

 私は、クラーナと一緒にお風呂に入ることになった。

 今は、脱衣所にいる。


「さあ、あ……アノンの服を脱がしてあげるわ」

「う、うん……よろしくね」


 その提案は、とても恥ずかしいものだが、ここまで来てどうこう言っていられない。

 そのため、私はクラーナに服を脱がせてもらうのだった。


「さあ、脱がすわよ」

「……うん」


 クラーナは、私の服を手際良く脱がしていく。

 予想していたが、これはとても恥ずかしい。

 そうして私の服は全て脱げ、残りは下着だけになってしまった。


「さあ、下着も」

「……うん」


 クラーナは、特に気にせず下着に手をかける。

 この際だから、さっさと終わらせよう。

 そう思い、私はされるがままにする。


 そして、私は下着も脱がされ、一糸まとわぬ姿となった。


「……」

「クラーナ?」

「あ、ごめんなさい。私もすぐに脱ぐわ」


 クラーナは、一度硬直したが、自分の服を脱いでいく。

 特に躊躇いもないため、クラーナもすぐに裸になった。


「……」

「……何よ?」


 その体に、思わず見惚れてしまった私に、クラーナが照れながら話しかけてくる。


「……思っていたより、恥ずかしいわ。あんまり見ないでくれない?」

「あ、ごめん……」

「といっても、私もあなたの体を見てしまったから、人のことは言えないわね」

「え?」

「あ、いや……なんでもないわ。行きましょう」


 クラーナはそう言って、お風呂場に入っていく。これ以上、裸を見たかどうかは話す気はないようだ。

 とりあえず、私もそれについていった。


「さて、体を洗うから、そこに座ってくれる?」

「うん……」


 そう言われて、私はお風呂場にある椅子に座る。

 私の後ろでは、クラーナが()(ほう)()を使っていた。

 それは、シャワーというお湯や水が出てくる魔法具だ。


「このくらいでいいわね?」


 クラーナはそう言って、私にお湯をかけてくれる。

 温度を調節してくれていたようで、丁度いい温度になっていた。


「うん、ありがとう……」

「じゃあ、洗うわね」


 クラーナは私の体にお湯をかけながら、石鹸を泡立てる。

 これから、クラーナに全身を洗われることになるのだ。なんだか、緊張してきた。


「……嫌な場所は、自分で洗いなさいよ? 少しくらいなら、手も動かせるでしょう」

「あ、うん、そうするよ」


 私の手に巻かれた包帯は、防水してくれる優れものであるようなので、少しくらいなら、洗える。


 そのため、クラーナはそんな提案をしてくれたのだ。私はそれに従うことにした。


「じゃあ、背中から……」

「う……」


 クラーナの手が、私の背中をなぞっていく。

 少しくすぐったいが、クラーナの丁寧な手つきが感じられた。


 そんな感じで、私とクラーナのお風呂は続いていく。

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