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パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
本編

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第69話 気になるものは一体?

 私とクラーナは、買い物に来ていた。


 テットアさんの八百屋さんなどを巡り、買い物は済んだ。

 という訳で、攻守交替ということである。


「クラーナ、いい?」

「ええ、どうぞ」


 私は、クラーナの腕に抱き着く。

 身長的には、同じくらいなので、入れ替わってもそこまで問題はない。


「あら、やっぱり、当たるわね……」

「う、うん……そうだね」


 今度は、私のおっぱいが、クラーナの腕に当たる。

 やはり、この感触は、クラーナでもドキドキが加速するようだ。

 それは、なんだか嬉しい気もする。


「……いつまでも、こうしている訳にはいかないわね。帰りましょうか?」

「うん、そうだね」


 私とクラーナは、ゆっくりと歩き始めた。


「あら……?」

「うん……?」


 歩き始めてすぐに、クラーナが足を止めてしまう。

 何か、気になるものがあったようだ。


 クラーナの視線を辿ってみると、そこには小物屋があった。

 あれは、クラーナのチョーカーを買った店だ。


「クラーナ、どうしたの?」

「あ、いえ、なんでもないわ……」

「言ってみてよ。何かあったなら、知っておきたいからさ」

「……実は、あの店に気になるものがあって……」

「やっぱり……」


 どうやら、あの小物屋に気になるものがあったようだ。

 それは、大方予想通りである。


 というか、あの小物屋は、どれだけクラーナが好きなものがあるのだろうか。


「それなら、買っていこうよ。欲しいものがあるのに、我慢するのはよくないし」

「で、でも……無駄遣いになるわ」


 クラーナは、無駄遣いなどを気にしているようだが、そんなに生活が大変という訳ではない。

 私もクラーナも、今まで無駄遣いをすることがなかったので、蓄えはかなりあるのだ。それなのに、我慢する必要はないだろう。


「蓄えはいっぱいあるし、大丈夫だよ。というか、何が欲しいの?」

「あの……ロープが欲しいの……」

「ロープ?」


 クラーナに言われて、小物屋の方を見てみた。

 すると、確かに、小さなロープのようなものが確認できる。

 だが、あんなもの何に使うのだろうか。


「あれって、何をするものなの?」

「ひ、引っ張り合い……」

「引っ張り合い……?」

「あれを私が口でくわえて、アノンと引っ張り合うの……」

「へえ、そうなんだ」


 どうやら、あれで引っ張り合いをするのが、クラ―ナの望みであるようだ。

 それは恐らく、毎度お馴染み、犬の獣人が持つ本能に関する遊びなのだろう。


「それなら、買っちゃおうよ。二人で遊べるなら、とてもいいし……」

「そ、そうかしら? それなら、そうしましょうか……」


 クラーナも買う気になったようなので、私達は歩き始めた。


 小物屋の前まで行き、店員さんに話しかける。


「店員さん、このロープもらえますか?」

「はーい、これね」

「あ、はい、そうです」


 そう話しかけると、店員さんはすぐに例のロープをとってくれた。

 さらに、それを紙袋に包んでくれる。


「それじゃあ、これで」

「あ、丁度ね。毎度、ありがとうね?」


 私がお金を渡すと、店員さんはウィンクしながら商品を渡してくれた。

 この人は、私達にも差別なく接してくれるので、とても嬉しい。


「ありがとうございました」

「ありがとうございました」

「また来てね、お嬢ちゃん達」


 それだけ言って、私達は店から離れていく。


「アノン、ありがとうね、私のために……」

「お礼なんていいよ。私も、クラーナと遊びたいしね……」


 とにかく、これで、ロープは手に入った。

 家に帰ったら、早速遊ぶとしよう。


 こうして、私達の買い物は終わっていくのだった。

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