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第62話 シャワーの前に

 私とクラーナは、シャワーを浴びるために洗い場に入ろうとしていた。


「そ、それじゃあ、入るね……」

「え、ええ……」


 位置的に洗い場に近かったので、私の方が先に入ることにする。

 戸を開けて、中に入っていく。

 すると、クラーナが私の後ろからついてくる。


 なんだか、お尻に視線を感じるが、気のせいだろうか。

 少し気になったが、声はかけないことにする。

 声をかけるのも、それはそれで恥ずかしいからだ。


 そのまま中に入ると、クラーナが戸を閉めてくれる。

 その音を聞き、私がシャワーに手をかけよとした、その時だった。


「アノン……」

「え? ク、クラーナ?」


 私の背中から、クラーナが抱きしめてきたのだ。

 その行為に、私はかなり困惑してしまう。


 なぜなら、私の背中にはクラーナの体が、生で当たっているからだ。

 その感触に、ドキドキしないという方が無理だった。


 当然、おっぱいも当たっている。

 これは、私の心を特に揺さぶってきていると思う。何度か触れたことはあるが、今回は生ということもあって、色々とすごい。


 さらに、クラーナの手が私のお腹辺りを触っており、そちらも私の困惑の種である。

 お腹を触られるのは、とても恥ずかしいが、それ以前にクラーナが触れてくれているという事実が、私の心を揺さぶるのだ。


「ペロ……」

「あっ……」


 クラーナは、さらに私の首辺りを舐めてきた。

 その生温かく湿った感触は、くすぐったいながらも気持ちいい。


「ペロ……」

「え?」


 そこで、クラーナの手が動く。

 動いた方向は、左手は上で、右手は下だ。

 右手は、私のふともも、左手は私の胸にそれぞれ触れる。


「あっ……」


 クラーナの右手が、ゆっくりと私のふとももを撫で始めた。

 さらに、左手もだ。これは、流石にまずい。


「……ク、クラーナ!」

「……あっ」


 私の呼びかけで、クラーナの手が止まる。


「ごめんなさい、アノン……少し、我慢できなくなったわ」

「うん……そうみたいだね。でも、ここでは駄目だよ。流石に……ね?」

「ええ、ごめんなさい……反省するわ」


 どうやら、クラーナは色々我慢できなくて、このような行動をしたらしい。

 その気持ちはかなりわかるが、流石にこんな所では駄目だ。


「そ、その……」

「……アノン、今は早くシャワーを浴びましょう。何も考えないようにするから……」

「あ、うん……」


 クラーナの一声で、私の言おうとした言葉は遮られた。

 とりあえず、クラーナの言う通り、シャワーに手をかける。


 その後は、普通にシャワーを浴びるだけだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「うん……そうみたいだね。でも、ここでは駄目だよ。流石に……ね?」 [一言] ここ(なろう)では駄目?
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