表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

272/280

第40話 二人との別れ

 私達は、厄災の戦姫も含めてエルトニデアの町の教会に戻って来ていた。

 シスターは、一人犬の獣人が増えていることに驚いているようだった。一方、ラノアは早速彼女に話を聞こうとしている。


「あなたは誰?」

「妾は、厄災の戦姫というものじゃ」

「やくさいのせんき?」

「ふむ……クラメリアという名前がかつての名前じゃ。まあ、好きに呼べばよい」


 厄災の戦姫は、ラノアにそう自己紹介をした。

 そういえば、私達も彼女の名前は聞いていなかった。とても間の抜けた話である。最も基本的なことを聞いていなかったなんて。


「さてと、話はまとまったみたいだね」

「アンナさん?」

「私とクラーナは、そろそろ行かせてもらうよ。グラムベルドを仕留めたことを仲間に報告しないといけない」

「もう行ってしまうんですか?」

「近くの町で、仲間が調査しているんだ。早く報告して、それを止めてあげたい」

「ああ、なるほど……」


 アンナさんとカルーナさんは、もう行ってしまうようだ。もう少し彼女達と話したい気持ちはあるが、事情が事情なので引き止めることも憚られる。


「ありがとうございました。今回の事件は、私達だけでは解決できなかったかもしれません。お二人のおかげで、全てが終わりました」

「いや、そんなことはないと思うよ。二人の実力なら、きっと大丈夫だったと私は思っている。もちろん、多少は苦戦したかもしれないけど、グラムベルドと鋼竜くらいには勝てたと思う」

「そう言ってもらえると嬉しいわね。まあ、真実がどうだったとしても、あなた達のおかげで助かったのは事実だわ」

「役に立てたなら幸いです。まあ、主に役に立ったのはお姉ちゃんですけど」


 私とクラーナは、アンナさんとカルーナさんとそのようなやり取りを交わした。

 二人には、随分とお世話になった。短い間ではあったが、二人との時間は楽しかったと思う。できることなら、またどこかで再会したいものだ。


「二人とも、元気でね」

「ラノアちゃんも元気で」

「アノンとクラーナと一緒に、幸せにね?」

「うん!」


 アンナさんとカルーナさんは、ラノアと目線を合わせて彼女にも声をかけてくれた。

 笑顔で送ろうと思っているのだろう。ラノアは別れを悲しむ素振りを見せはしない。


「シスターにも、お世話になりました」

「いえ、お二人もどうか良い旅を」

「それじゃあ、厄災の戦姫、いやクラメリア、あなたも元気で」

「うむ、達者でのう」

「それじゃあ、行こう、カルーナ」

「うん、お姉ちゃん!」


 シスターとクラメリアさんとも挨拶をしてから、二人はすぐに歩き始めた。

 こうして、アンナさんとカルーナさんと私達は別れるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ