第21話 歓迎されるのは
私とクラーナとラノアは、レクリアさんとレフィリーナちゃんの家に泊まることになった。
わかっていたことではあるが、二人の住んでいる屋敷はすごい。広いし使用人もいるし、高貴な家といった感じだ。
「きゃあ! ラノアちゃん、久し振り!」
「元気だった?」
「今日は、言っていたアノンさんとクラーナさんも一緒なのね!」
「久し振り! 元気だったよ! 今日は二人も一緒!」
私を出迎えてくれたメイドさん達は、ラノアを見て嬉しそうにしていた。
なんというか、とても歓迎されている。どうやら、ラノアはこの屋敷において、結構な人気者であるらしい。
「皆さん! あんまりラノアを困らせないでください!」
「あ、お嬢様が怒っています……」
「大丈夫ですよ。お友達を取ったりしませんから」
「可愛いですね、お嬢様」
「も、もう、皆さん……」
そんなメイドさん達に、レフィリーナちゃんは怒っていた。
メイドさん達の言う通り、ラノアを取られると思ったのかもしれない。
「ラノア、一体どうしたんですか?」
「ああ、まあ、色々とあったんだ……」
私は、レクリアさんに事情を聞いてみることにした。
前にここに来た時、ラノアは何をしたのだろうか。それは、少し気になる所だ。
「……お前達に言う必要はないかもしれないが、あの子は天真爛漫というか、とても人懐っこいだろう? その明るさで、メイド達の懐に入っていて、すっかり人気者になったという訳だ」
「持ち前の可愛さで、メイドさん達のハートを射止めたということですか?」
「……あ、ああ、まあ、そういうことだな」
ラノアは、とても可愛い子である。メイドさん達がメロメロになってしまうのも、仕方ないことかもしれない。
「ラノアは、流石だね……」
「ええ、そうね……やっぱり、あの子はすごい子だわ」
「……前々から思っていたけど、お前達は親バカだな。まあ、気持ちはわからない訳ではないが……ああ、そういえば姉貴も私のことをよく褒めていたか。やっぱり、そういう血が流れているのか?」
私とクラーナは、ラノアのことを見てうっとりとしていた。
その隣で、レクリアさんは気になることを言っていた。
私達が親バカであることは、ある程度自覚している。ラノアのことが可愛くてたまらないのは、そういうことなのだろう。
私のお母さんも、私のことをとても可愛がってくれていた。レクリアさんの言っている通り、これは血筋もあるのかもしれない。
「ラノアちゃん、撫でてもいい?」
「いいよ」
「ラノア、そんな風に誰にでも撫でさせていいものですの?」
「え? 駄目なの?」
「い、いえ、駄目という訳でありませんけど……」
「お嬢様は、嫉妬深いですね」
「そ、そんなことはありませんわ」
色々と懐かしい気持ちになっていた私の前で、ラノア達はそのようなやり取りを交わしていた。
なんというか、レフィリーナちゃんもメイドさん達に可愛がられているようだ。そのやり取りから、それが伝わってきた。
きっとこの屋敷の人々は、皆いい人なのだろう。私は、そんなことを思うのだった。




