第13話 意外な一面
私とクラーナとラノアは、リュウカさん達に誘われて海に来ていた。
レフィリーナちゃんやレクリアさんも一緒に来た海で、私達は泳いだりビーチバレーをしたりしていた。
こうやって海で遊ぶのは、楽しい。毎年誘えてもらえるのは、嬉しいものである。
「あれ?」
「アノン、どうかしたの?」
「クラーナ、あっちを見て」
「あっち……あら?」
ビーチバレーを終えて、私とクラーナは少し休んでいた。
そんな時、私はとある光景を発見する。
それは、レクリアさんが見てくれているラノアとレフィリーナちゃんの方で起こったことだ。
そこには、カルノさんがいる。彼女が、二人と遊んでいるのだ。
「カルノ、二人と遊んでいたのね……」
「そうみたいだね……」
カルノさんは、ビーチバレーにも参加していた。
ただ、途中交代してからは姿が見えなくなっていた。それは、二人の元に行っていたからのようである。
「楽しそうね」
「うん、楽しそうだね」
カルノさんは、二人ととても楽しそうに遊んでいた。
彼女は、基本的に冷静沈着な人である。だが、今は見てわかるくらい、楽しそうにしているのだ。
もしかして、彼女は子供が好きだったりするのだろうか。
「カルノ、あっちにいたのか」
「あ、リュウカさん」
「子供達と遊んでいたんだな……まあ、あいつらしいといえば、あいつらしいか」
カルノさんを見ていると、リュウカさんがやって来た。
その口振りからして、やはりカルノさんが子供好きであるというのは間違いなさそうだ。
それは、今まで知らなかったことである。まあ、カルノさんと一緒に子供と会う機会なんて、今まではなかったのだから、それは当然のことかもしれない。
「あ、アノン! クラーナ!」
「ラノア! 楽しんでいる?」
「うん!」
そこで、ラノアがこちらに手を振ってきた。
彼女は、カルノさんに肩車してもらっている。カルノさんは背が高いので、いつもと違う景色を見ていることだろう。
「カルノさん、すみません。ラノアが肩車なんてしてもらって……」
「いえ、お気になさらず」
私とクラーナは、ラノア達の元に近づいて行った。
カルノさんに声をかけてみると、彼女は珍しく少し照れていた。子供達と楽しそうに遊んでいるのを見られたことが、恥ずかしかったのだろうか。
「カルノ、すごく優しいんだ」
「そうなんだ。良かったわね、ラノア」
「うん!」
ラノアもレフィリーナちゃんも、私達に笑顔を見せてくれた。
それだけ、カルノさんと遊ぶのが楽しいということだろう。
その言葉に、彼女はまた照れていた。どうやら、こういう面を見られることが彼女は恥ずかしいようである。




