表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

242/280

第10話 そこについているのは

 私とクラーナは、ラノアとともにお風呂に入っていた。

 私達は、いつも一緒に入浴している。そのため、それ自体はいつものことだ。


「あれ?」

「うん? ラノア、どうかしたの?」


 そんなお風呂の時間に、ラノアは私を見ながらその首を傾げた。どうやら、何か疑問があるらしい。

 しかし、どうしたのだろうか。私の顔に何かついているのだろうか。


「アノン、なんか赤くなっているよ?」

「赤く?」

「虫に刺されたの?」


 ラノアの指摘に、私は自分の体を観察してみた。

 すると、確かに赤くなっている部分を発見する。

 ただ、それは別に虫に刺されたという訳ではない。とある理由でついているものなのだ。


「……」

「うん? アノン? どうかしたの? クラーナの方を見て……」

「ううん、なんでもないよ」


 その痕は、昨日クラ―ナによってつけられたものだった。

 そのことを理解して、私は思わず彼女の方を見てしまった。クラーナも、驚いたような顔をしている。そして、その表情はすぐに気まずそうなものになる。

 どうやら、私達はまずいことをしてしまったらしい。よく考えてみれば、ラノアにこれを見られるのは必然だったのだから、もっと考えるべきだったのだろう。


「……もしかして、クラーナがつけたの?」

「え、えっと……」

「ア、アノンが可哀想だよ」

「そ、そうね……」


 私がクラーナを見たことによって、ラノアはこれを誰がつけたかを察したようだ。

 ただ、当然のことながら何故つけたのか、またどうやってつけたかは、理解していないようである。

 という訳で、私達は誤魔化すしかなかった。これはクラーナが遊びでつけたもの、そういうことにした方がいいだろう。


「なんで、あんなのをつけたの?」

「その……遊んでいたら、そうなってしまったのよ」

「そうなんだ……アノン、大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。別に痛くもかゆくもないから」

「そっか……それなら、良かった」


 私とクラーナは、言葉を交わすことなくラノアへの言い訳を合わせた。

 普段から、私達はじゃれ合っているため、その遊びの拍子にこの痕がついたというのは、ラノアにとっても理解しやすいことだろう。


「私も気をつけないといけないよね……」

「ええ、そうね」

「う、うん、じゃれ合うのはいいけど、怪我をさせるのは駄目だからね」

「うん!」


 ラノアの元気な返事を聞きながら、私は内心安心していた。それは恐らく、クラーナも同じだろう。

 こうして、私達はラノアとの会話をなんとか乗り切ることができたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これはキツい…笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ