表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
afterafter

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

216/280

第84話 変化した景色

 私は、クラーナとラノアとともに家に帰って来ていた。

 とりあえず、これから私は安静にしなければならない。この体が治るまでは、家で大人しくしていることになりそうだ。


「はあ、なんだか、変な感じ……」

「あら? 気分でも悪いの?」

「あ、いや、そういうことじゃなくてね……なんというか、景色がいつもと違うんだよね。視線が低いからなんだろうけど……」

「ああ、そういうことだったのね……」


 私は、家にいながら違和感を覚えていた。慣れ親しんだ家なのだが、視線が低くなったことで少し様子が違って見えるのだ。


「クラーナを見上げるのも、ラノアと目線が同じなのも、変な感じだよ」

「まあ、それはそうでしょうね。私も、アノンを見下ろすのはおかしいと思うもの」

「私も、アノンと目線が合うのは変な感じ」

「そうだよね……」


 この体になって、私は色々と違和感を覚えていた。

 視線だけではなく、力も弱くなっているし、いつもと大分勝手が違っている。不便であるという訳でもないが、どうも変な感じだ。


「それにしても、アノンは子供の頃は、こんな感じだったんだね……」

「うん、そうだよ。どこか変かな?」

「可愛いわ、アノン」

「うん、可愛い」

「ふ、二人とも……」


 二人は、笑顔で私のことを褒めてくれた。

 褒めてもらえるのは、もちろん嬉しい。だが、やっぱり恥ずかしくもある。


「まあ、色々と心配なことはあるけど、アノンのこの姿を見られたことは、不謹慎ながら嬉しいことだわ」

「そ、そう?」

「だって、子供の頃のアノンなんて、普通なら絶対に見られないし、触れられないじゃない。その体験ができたことは、良かったといえるわ」

「……まあ、確かに、私もクラーナの子供の頃が見てみたいと思うこともあるから、気持ちはわかるよ」


 子供の頃の姿とは、もう二度と見られなかったはずの姿だ。それを見ることができて、嬉しいという気持ちはわからない訳ではない。

 もっとも、あの怪光線が安全なものかどうかまだ完全にわかっていないため、クラーナも心から喜べないというのが現状なのだろう。


「あの怪光線が安全なものなら、私も浴びようかしら?」

「あ、いや、流石にそれはやめておいた方がいいんじゃない? 魔物が相手なんだから、そもそも浴びに行くのが危険な訳だし……」

「でも、ギルドの冒険者達はそうするつもりだったような気がするけど……」

「まあ、それもそうなんだよね……」


 クラーナの言葉に、私はギルドの様子を思い出した。

 一部の人達は、今にも怪光線を浴びに行こうとしているかのような感じだった。流石にギルドの職員が止めているとは思うのだが、本当に大丈夫なのだろうか。

 そういう人達のためにも、私の体がどうなっているのか、早く判明してもらいたいものである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ