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パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
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第83話 精密検査を受けて

 私は、クラーナとラノアとともに先生の元に来ていた。

 先生というのは、私やクラーナ、今はラノアもお世話になっている診療所のお医者さんのことである。

 彼女は、獣人に偏見というものを持っておらず、犬の獣人でも診てくれるお医者さんだ。私にしても、同じである。ガランの娘だからといって、差別したりしないのが彼女なのだ。


「検査の結果としては、アノンの体には異常はないということになるかな……」


 私は、精密検査を受けていた。あの新種の魔物によって、子供の姿にされたため、体を一通り調べてもらったのだ。


「それなら、安心なのかしら?」

「そうとも言い切れないんだよね……」

「あら? どういうことかしら?」


 検査結果は、異常はないようだが、何か問題があるようである。

 まあ、こんな姿になったのだから、完全に安心できるなんてことはないだろう。こう言われるのは、むしろ当然といえる。


「正直言って、こんな現象は私も初めてなの。わからないことが多すぎて、完全に安全とはいえないのよね。検査結果は正常だったけど、私としては何か異常が見つかってくれた方が、対処方法が考えられてよかったと思うくらいだわ」

「なるほど、確かにそういう考え方もあるわね……」


 先生の言葉に、私は非常に納得できた。

 確かに、異常が見つかってくれた方がありがたかったのかもしれない。結局、これではよくわからないという答えしか出てこないからだ。


「とりあえず、経過観察ということにするしかないわね……一番の問題は、元に戻るかどうかということよね?」

「あ、そうですね……元の姿に戻ってくれないと困ります」

「前例として……似たようなものはない訳ではないから、そこから予測することはできるから……えっと、まあ、大抵は三日くらいで症状がなくなるという感じかな?」


 先生は頭を抱えながら、手元の資料を見ていた。彼女にとっても、この症状は頭を悩ませるようなものであるようだ。

 やはり、新種の魔物が現れるというのは大変な出来事である。戦う者達だけではなく、お医者さんまで悩ませるなんて、なんて厄介なのだろうか。


「まあ、とにかく安静にして、経過観察ね。何かあったら、すぐ私の元に来て。三日後に何かなくても、私の元に来て。元に戻ったとしても、私の元に来て」

「わかりました」


 私の身に起こったこの奇怪な変化は、未だ解決していない。

 まさか、ずっとこのままなのだろうか。そんな風な不安を少しだけ抱きつつ、私は家に帰るのだった。

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