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パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
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第78話 難しい依頼

 私とクラーナは、リュウカさん達とともに依頼に向かっていた。

 その依頼の内容は、新種の魔物の討伐である。極めて危険な依頼に、何故か私達が行くことになったのだ。


「はあ、どうして私達が……」

「仕方ないさ。この町の中で、最も実力があるのは、お前達だと言われているんだから」

「でも……」

「キラーベアや、バイオレンスウルフ、そういった凶悪な魔物を、お前達は二人で葬ってきたんだ。実力に関しては、疑いようがないだろう?」

「いや、それは……」


 私とクラーナは、ギルドで冒険者や職員にお願いされてしまった。実力が高い私達に、是非とも新種の魔物を討伐して欲しいと。

 色々と差別を受けてきた私達だったが、最近はギルドの人達との関係はそこまで悪い訳ではない。長年の仕事や、私とクラーナの会話を聞いている内に、ある程度は打ち解けることができてきていた。

 そのため、今回のことは本当に純粋に、実力を見込んで頼んできたのだろう。前金として、それなりの金額ももらったし、切実な頼みであることは間違いない。


「キラーベアを二人で倒すなんて、早々できることではありませんわ。あなた達の実力は、ギルドで随一と思われているでしょうね」

「そうでしょうか? でも、私達よりも強い人もいると思うんですけど……」

「ええ、私もそう思いますわ。でも、そういう人達でも、きっと二人でキラーベアやバイオレンスウルフを倒すことは難しいと思いますの」

「どういうことですか?」

「二人で戦うと限定した時に、あなた達二人はあのギルドのどのペアよりも強いということですわ。そのコンビとしての実力が、他の人達から見ると個々が強力だと思われているのでしょうね」


 キーラさんの説明に、私は少しだけ納得できた。

 確かに、冒険者というものは普通四人くらいで仕事をする。私達が倒した魔物を他のパーティが倒したと聞くことはあるが、それはあくまで四人で倒したのだ。

 私達のように、二人で倒したという話は聞いたことがない。そう考えると、私達二人が、ギルドで最も強いと思われてもおかしくないのかもしれない。


「それに、最近、皆が認識している獣人の身体能力も考慮されたのでしょう。その先入観のようなものが、あなた達を強者だとしていると、私は予想していますわ」

「まあ、それは確かに大きいかもしれませんね。私達が二人でも大丈夫なのは、クラーナの高い探知能力によるものではありますし……」


 キーラさんのさらなる言葉に、私はまたも納得してしまった。

 獣人の身体能力は高い。五感も優れているし、人間よりも能力は上である。

 そんな犬の獣人を有する私達に、白羽の矢が立ってきた。それは、結構理に適っている気がする。


「それに、私達のこともギルドの方々は言ってきましたし、色々と考えた結果であることは、間違いないのではありませんか?」

「そ、そうですね……」


 ギルドでは、リュウカさん達のパーティの同行も提案された。私達だけではなく、時々合同で依頼をこなしているパーティの同行も提案したことから、色々と考慮してくれたのは間違いない。

 という訳で、今回は特に裏があるという訳でもなく、本当に新種の魔物をなんとかして欲しいということなのだろう。


「あなたも、クラーナも、それがわかったから、依頼を受けたのでしょう?」

「ええ、まあ、そうなんですけど……」


 私もクラーナも、ギルドの人達に裏がある訳ではないということはわかっていた。だからこそ、この依頼を受けたのだ。

 だが、それでも色々と悩まずにはいられない。新種の魔物とは、やはりそれ程に不安になる存在なのである。

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