第77話 騒がしいギルド
海に遊びに行った後、数日休んでから、私とクラーナはいつも通りの日常に戻っていた。
今日も、冒険者ギルドに行って、依頼をこなして帰る。そんないつも通りの日常であるはずだった。
しかし、今日は少しだけギルドが騒がしい。こういう時には、大抵何か面倒なことが起こっている。今回は、一体どのような騒ぎなのだろうか。
「あ、リュウカさん、何かあったんですか?」
「うん? ああ、アノン、クラーナ、実は少し面倒なことになっているみたいでな」
「やっぱり、そういうことなんですね……」
ギルドの中に、リュウカさん達を見つけて、私は事情を聞いてみることにした。
予想していた通り、面倒なことが起こっているようだ。やはり、ギルドで騒ぎが起きるのはいいことではない。
「それで、一体何が起こったのかしら?」
「ああ、新種の魔物が現れたらしいんだ」
「新種の魔物ですか? それは確かに、面倒なことですね……」
新種の魔物、それはまれに現れることがある。
通常、魔物というものはその生態や能力がわかっている。先人達の知恵があるため、ある程度の対処方法もわかっているのだ。
だが、新種の魔物はそれがわからないため、非常に厄介で危険なのである。
しかし、駆除しなければ魔物は爆発的に増えていく。そうすると、多くの人間やその他の生き物が危害を受ける。
それを止めるために、新種の魔物の討伐は必要なことだ。つまり、誰かが最初は何もわからない魔物と戦わなければならないのである。
「血気盛な冒険者達なら、誰かがすぐに行くものではないのかしら?」
「いや、それが新種の魔物の能力がある程度わかっているから、それを聞いて、皆少し躊躇っているみたいなんだ」
「何かわかっているんですか?」
「ああ、そいつは昆虫型……蚊に似た魔物らしくてな。素早い動きに、怪光線を放つらしい」
「それくらいの情報で、尻込みしているの?」
「怪光線は、地面の草木を消滅させたんだ。そんな恐ろしい光線を放ってくる奴は、流石に恐ろしいんだろうな」
リュウカさんの話で、魔物がかなり恐ろしい存在であるとわかった。
物体を消滅させる怪光線なんて、とても恐ろしい。しかも、それを素早い身のこなしで放ってくる。かなり、凶悪な魔物だといえるだろう。
話を聞いただけで、冒険者達が尻込みしている理由がわかる。流石に、そんな魔物とは戦いたくはないだろう。
「まあ、私達には関係のないことね」
「そうだね」
「いや、そういう訳ではないかもしれないぜ?」
「え?」
「なんですって?」
リュウカさんの言葉に、私もクラーナも眉をひそめた。
一体、どういうことなのだろうか。




