第75話 海でまったりと
私とクラーナは、海で遊んでいた。
レクリアさんがラノアのことを見ていてくれているので、私達は割と自由にできている。
「やっぱり、海は気持ちいいわね……」
「うん、そうだね……」
海の空気は、とても心地よかった。
やはり、暑い時は海に来るのはいい。改めてそう思えた。
これに誘ってくれたリュウカさん達には感謝の気持ちしかない。
「毎年こんな風に海に来るようになるなんて、数年前までは思ってもいなかったことね……
」
「そうだね……」
「これも、アノンと会ったから……」
「え?」
クラーナの言葉に、私は少し驚いた。
どうして、そのように繋がったのか少しわからなかったからだ。
「だって、そうでしょう? アノンと出会わなければ、リュウカ達とも出会わなかったのだから」
「ああ、そっか……そういうことになるんだね」
「ええ、当たり前のことでしょう?」
「うん、そうだね……」
よく考えてみれば、私がリュウカさんと知り合いだったから、クラーナは彼女と知り合ったのだ。確かに、私と会ったからここに来られたともいえる。
「アノンと会ってから、楽しいことばかりだわ……」
「それは、私も同じだよ?」
「ふふっ……」
「あははっ……」
私達は、お互いに笑い合った。
こうやって楽しい時間が過ごせるのが、とても楽しいのである。
「おーい! アノン、クラーナ! こっちでビーチバレーでもしないか!」
「あら?」
そこで、リュウカさんの声が聞こえてきた。
そちらを見ると、ボールを持った彼女がいる。どうやら、ビーチバレーをするようだ。
リュウカさんの周りには、ティネちゃんとカルノさんがいる。三人ではできないので、私達を呼んでいるのだろう。
キーラさんとサトラさんは、二人でどこかに消えたようだ。あの二人のことだから、二人きりで色々としているのだろう。
「どうする?」
「せっかくだから、行きましょうか」
「うん、そうしよう。リュウカさん、今行きます!」
私が質問すると、クラーナはゆっくりと頷いた。
私は、手を振って、リュウカさんに合図する。すると、彼女は親指を立てて、こちらに合図してくる。
「さて、ビーチバレーも久し振りね」
「そうだね。まあ、海に来る時くらいしか、やる機会もないもんね」
私もクラーナも、ビーチバレーは何度か経験している。海に来る時は、大抵リュウカさんが誘ってくるのだ。
参加者が全員冒険者ということで、ビーチバレーは中々白熱したものになる。基本的に、皆運動能力は高いのだ。
こうして、私とクラーナはリュウカさん達とともにしばらくビーチバレーを楽しむのだった。




