表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
afterafter

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/280

第63話 帰ってきた娘

 私とクラーナは、ラノアが出かけてから三日が経っていた。

 今日は、いよいよラノアが帰ってくる。そのため、私達はそわそわしている。


「うーん……」

「クゥーン……」


 ラノアが帰ってくることは、嬉しいことだ。

 色々とあったが、彼女がいないこの三日間は寂しかった。その寂しさが、やっと吹き飛ぶのである。

 だが、帰ってくるまでの間はなんだか穏やかではいられない。なんとなく、そわそわしてしまうのである。


「あっ……」

「あら?」


 そんな私達の耳に、家の呼び鈴が聞こえてきた。

 どうやら、ラノアが帰って来たようだ。

 私とクラーナは、急いで玄関に向かう。いよいよ、再会の時である。


「今、開けます」


 私は、ゆっくりと玄関の戸を開けた。

 すると、見知った顔が見えてくる。


「ただいま! アノン! クラーナ!」

「おかえり、ラノア」

「おかえりなさい、ラノア」


 私達の元に、ラノアは飛び込んできた。

 その小さな体を、私達はしっかりと受け止める。

 彼女の温もりを感じて、その存在がわかる。それがとても嬉しくて、思わず笑みがこぼれてしまう。


「……三日振りの再会か。大袈裟な気もするが、こんなものなのかね?」

「お母様、三日は長いですわよ」

「まあ、そうか」


 そんな私達の様子を、レクリアさんとレフィリーナちゃんが見ていた。

 予想通り、二人ともラノアを見送るために来てくれたようだ。


「レクリアさん、三日間お世話になりました」

「改まる必要はないぜ。今度は、三人で来てくれよ」

「……はい、またいつか」


 レクリアさんの言葉に、私はゆっくりと頷いた。

 今度は、三人で遊びに行かせてもらおう。


「さて、ラノア、これでお別れですわね……」

「うん、そうだね……」


 そこで、ラノアとレフィリーナちゃんの目が合った。

 二人は、濃密な三日間を過ごしただろう。そんな二人の別れは、とても名残惜しいものであるはずだ。


「また会いましょう」

「うん、またね……んっ」

「あっ……」


 ラノアは、ゆっくりとレフィリーナちゃんの頬にキスをした。

 先日までと比べると、レフィリーナちゃんの反応は少し異なっている。驚きの感情が、少し薄れているのだ。

 唐突にキスされたことには驚いている。でも、キスそのものには驚いていない。恐らく、この三日間で色々とあったのだろう。


「さて、それじゃあ、私達は帰る。お前達も、元気でな」

「はい、レクリアさんもお元気で」

「また会いましょう」


 私とクラーナも、レクリアさんと別れの挨拶をする。

 こうして、ラノアは帰ってきた。私達のいつも通りの日常が、また始まるのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ