第54話 二日酔いに襲われて
私は、ゆっくりと目を覚ます。
どうやら、もう朝であるようだ。カーテンを突き抜けてくる光が、それを示してくれる。
「うん……」
「あ、クラーナ」
私に続いて、クラーナも目を覚ました。
しかし、なんだか少し顔色が悪い気がする。
「クラーナ、大丈夫?」
「うっ……頭が痛いわ」
「頭が痛い?」
「それに、なんだか吐き気も……」
「吐き気……それって、もしかして……」
クラーナは、頭痛や吐き気に襲われているようだ。
その症状を聞いて、私はあることを思った。もしかして、クラーナは二日酔いなのではないだろうか。
お酒を飲んだ次の日、頭痛や吐き気に襲われる。それは、明らかに二日酔いだ。クラーナはお酒に弱かったので、まず間違いないはずである。
「それは、二日酔いだね……」
「二日酔い……そういえば、なんだか、昨日はずっと変なことを言ってしまったわね……」
「あ、えっと……」
「ごめんなさい、なんだか私、酔っ払っていたみたいね」
「あ、うん……」
クラーナは、昨日の自分を冷静に分析していた。
昨日は頑なに認めなかったが、酔いが大分醒めて、理解できるようになったようである。
それはいいことなのだが、二日酔いは大変だ。これは、今日は仕事などできないだろう。
「クラーナ、今日は仕事はやめにしようか?」
「申し訳ないけど……そうしてもらえるかしら?」
「もちろん」
とりあえず、今日一日は休むことになった。
だが、二日酔いというのはどうしたら治るのだろうか。
確か、酔っている時も二日酔いの時も水を飲むといいと聞いたことがある。やはり、水分補給が一番なのだろうか。
「よくわからないけど、確か水分補給するといいはずだよね?」
「ええ、そんな感じだったと思うわ……」
「それなら、お水を汲んでくるね」
クラーナも同意してくれたので、私はお水を持ってくることにした。
しかし、その前に一つ確認しておくことがある。あまりひどいようなら、ある人を頼るべきだと思ったからだ。
「あまりひどいようなら、先生の所に行く?」
「それは、大丈夫よ。そこまで、ひどいものではないし……でも、明日も続くなら、考えたいわね」
「そっか、それなら、今日はゆっくりと休んで、水分補給していこうか」
「そうさせてもらうわ……」
症状が重いなら、いつもお世話になっている診療所に行くべきかと思った。
だが、それは必要ないらしい。クラーナがそう判断しているのだから、今はそれがいいだろう。
「それじゃあ……」
「アノン、待って……」
「うん?」
「おはようのキス……」
「ああ……」
私は、クラーナとゆっくりと口づけをする。
緊急事態で忘れていたが、おはようのキスをしていなかったのだ。
「おはよう、クラーナ」
「おはよう、アノン」
私とクラーナは、ゆっくりと朝の挨拶を交わす。
こうして、私達の一日は始まるのだった。




