第28話 友達になって
私とクラーナは、レクリアさんとともに、ラノアとレフィリーナちゃんの様子を見ていた。
二人は、微妙な空気である。仲良くなれるかどうかは、これからにかかっているだろう。
「私と……友達になってくれる?」
「え?」
その空気の中、ラノアは直球で切り出した。
友達になって欲しい。その素直な言葉に、レフィリーナちゃんは目を丸くしている。
「これは効いたな……あいつも、こう言われたら、流石に参るだろうな」
「ええ、効いていると思うわ。素直な言葉は、結構効くのよね。私も、覚えがあるもの」
「確かに、私もあの時は素直な気持ちを届けたね」
「ええ」
蚊帳の外で、私達はそのような会話をしていた。
この微妙な空気の中で、私達にできることはない。ただ、二人の進展を待つだけなのだ。
「と、友達ですの? 私とあなたが?」
「うん……」
「べ、別に……構いませんけど」
レフィリーナちゃんの返答は、とても可愛らしいものだった。
顔を赤らめながら、ラノアの言葉を肯定したのである。
その言葉に、ラノアの顔は明るくなる。レフィリーナちゃんの言葉が、かなり嬉しかったようだ。
「それじゃあ、これからは友達だね。よろしくね、レフィリーナちゃん」
「レ、レフィでいいですわ……」
「そっか、よろしくね、レフィ」
まだ照れているレフィリーナちゃんに、ラノアは遠慮なく近寄っていく。
どうやら、一緒に遊びたいようだ。
「えっと……どうしかしましたの?」
「一緒に遊ぼう?」
「遊ぶ?」
「うん!」
積極的なラノアに、レフィリーナちゃんは少し微妙な反応をした。
レクリアさんの様子を伺っていることから、客人として来ているのに、遊んでいいのか気にしているのだろう。
レフィリーナちゃんは、気遣いができる子であるようだ。だが、そんな気遣いは無用である。ここで、無礼なことなど、ないのだ。
「別に、こっちは構わないから、遊んでいいぞ」
「そ、それなら……」
レクリアさんの返答に、レフィリーナちゃんは笑顔になった。
これで、二人は安心して遊べるだろう。
ラノアが手を引き、二人はソファの方に行った。あそこは、私達が普段遊んでいる所である。
「普段遊んでいる所?」
「アノン? どうかしたの?」
その時、私は少しだけ心配になった。
あの場所での遊びというのは、色々とまずいかもしれない。基本的に、あそこでやっているのは撫でたり舐めたりだ。それは、大丈夫なのだろうか。
もちろん、問題ない可能性はある。それは、レフィリーナちゃん次第だ。
とにかく、変な空気にならなければいいのだが。中々、心配なものである。




