第17話 近況の報告
私達は、ローレリムさんが住む家に向かっていた。ローレリムさんは、キーラさんの実家に当たる家に住んでいるらしい。つまり、私達はキーラさんの実家に向かっているということである。
それなりに距離があるため、馬車での移動だ。キーラさんが手配してくれた馬車なのだが、とても広く乗り心地がいい。
そんな訳で、私達は快適な移動を行えている。快適過ぎて、ラノアが私の膝を枕にして寝ているくらいだ。
「微笑ましいですわね……」
「そうだね……」
そんな私達の様子を、キーラさんとサトラさんは微笑ましそうに見てきていた。
少し恥ずかしいが、そのように思ってもらえるのは嬉しいことではある。
「そういえば……二人は、最近どうですか?」
「どうとは?」
「順調かどうかを聞いているのですわ。まあ、聞く必要もないとは思いますけど……」
そこで、キーラさんは私達の近況を聞いてきた。
私達とキーラさん達は、よく近況を報告し合っている。お互いに、人間と獣人で女の子同士という共通点があるため、色々と話し合うことがあるのだ。
「私達は、ラノアが加わって少し変わったくらいですね」
「ああ、確かにラノアちゃんが来たことで、生活は変わりますわね。それは、当然のことですわ」
「ラノアが加わって、毎日がより楽しくなりましたよ」
私達に最近起こったことは、ラノアが加わったことである。
それにより、生活はかなり変わった。ただ、それは楽しい変化だ。
「羨ましいですわね……私とサトラも、いつかはそのようになりたいものですわ」
私の言葉を聞いて、キーラさんはそのように言ってきた。
確かに、子供がいると生活が楽しくなる。いつかそうなりたいと思うことも、おかしくはないだろう。
「クラーナは、どうなの?」
「私も、毎日楽しいわよ」
「ラノアとはどう? 母親になったということは、色々と大変?」
「まあ、大変な面もあるけど、それでも楽しいわ」
サトラさんの方は、クラーナに質問していた。
二人は、同じ犬の獣人である。さらには、ラノアも犬の獣人だ。
ということは、二人にしかわからないものがあるのだろう。今の会話は、恐らくそういう犬の獣人特有のことを話していたはずだ。
「というか、サトラには色々とお世話になっているわね。本当に、毎回ラノアの面倒を見てくれて、ありがとうね」
「あはは、大丈夫。私も、楽しいからね。気分的には、親戚のおばさんみたいな感じだよ」
そこで、クラーナはサトラさんにお礼を言った。
私とクラーナが依頼に行っている時、ラノアのことはサトラさんに見てもらっている。
そのため、私もクラーナも、サトラさんには感謝の気持ちでいっぱいなのだ。
そんなことを話しながら、私達は過ごすのだった。




