表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
afterafter

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/280

第14話 変わり始めた場所

 私は、クラーナとラノアとともに、ガランのアジトに来ていた。

 とりあえず、レイコさんの待ち人のことは伝えられた。

 それで目的は、とりあえず終わったのだが、せっかく来たので、私達はアジトの様子を見ている。


「ここも、結構変わったね……」

「ええ、そうね……」


 一応、最高責任者であることもあるが、単純にここの様子は気になっていた。

 なぜなら、ここには私やクラーナに少し関係がある人達がいるからだ。


「獣人達が、普通に働けているのはすごいことだわ」

「うん……」


 ここでは、獣人達が普通に働いている。

 色々と事情があって、そういう風になったのだ。


「これも、お義父さんのおかげね」

「ガランのおかげというよりは、クラーナのおかげというか、クラーナが私と結ばれたおかげというか……」

「でも、お義父さんが張り切ったから、こうなったんじゃない」


 私とクラーナが結ばれたことで、ガランは獣人達を自分の仕事に引き込むようになった。

 なんでも、娘の嫁が獣人なんだから、そういう人達も積極的に採用していこうという気になったようだ。

 という訳で、ここでは数多くの獣人達が働いている。獣人達は、差別されて働けないことも多いため、ここで働きたいという獣人は年々増えているらしい。


「張り切ったか……まあ、張り切ったんだろうね」

「ふふ……」


 クラーナの存在もあって、ここにいる人間達は獣人に対する差別意識が消えていた。

 そもそも、ここにいる人達は、色々と壮絶な過去の持ち主が多いので、そういう意識が元々薄かったこともあるかもしれない。

 そういうこともあって、ここでは人間も獣人もほぼ関係なくなっている。そういう風にわかり合えることは、とてもいいことだろう。


「お義父さんには、感謝しないといけないわね」

「感謝……感謝するべきなのかな?」

「ええ、少なくとも、私は感謝しているわ」


 クラーナは、ガランに対して感謝しているようだ。

 確かに、こうなったのはガランのおかげでもあるので、感謝するべきなのかもしれない。


「アノン! クラーナ! 大変だよ!」

「え?」

「あら?」


 そこで、アジトを探検していたはずのラノアが私達の元に来た。

 その手には、何か色々と食べ物を持っている。大変という言葉も気になるが、まずはそちらの方に目が行ってしまう。


「ラノア? それ、どうしたの?」

「え? これは、皆がくれたの」

「皆が……」

「まあ、期待の三代目だものね」


 ラノアが色々と持っているのは、アジトの皆が何かをあげたかららしい。

 ラノアは、このアジトでは非常に可愛がられている。暫定三代目ということもあって、皆本当に優しくしているようなのだ。

 そもそも、ラノアはそういう面を差し引いても、可愛い子である。そのため、皆ついつい物を上げたくなっても仕方ないのかもしれない。


「それより、どうかしたの? 何か慌てているみたいだけど」

「あ! あのね、レイコさんの探し人かもしれない人を見た人がいたんだ!」

「え?」

「あら……」


 ラノアの言葉に、私とクラーナは驚いた。

 どうやら、レイコさんの待ち人の情報があったようだ。

 まさか、既にそういう情報があるとは思っていなかった。だが、これは嬉しい知らせである。


「とにかく、その人の所に行って、話を聞いてみよう?」

「そ、そうだね」

「そうしましょう」


 興奮しているラノアの言葉に、私とクラーナはゆっくりと頷く。

 こうして、私達は話を聞きに向かうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ