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パーティを追放されたので、犬耳獣人少女と生きていく。  作者: 木山楽斗
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第12話 受け継いだもの

 私は、クラーナとラノアとともに、とある場所に来ていた。

 そこなら、レイコさんの待ち人に関する手がかりを得られると思ったからだ。

 ただ、この場所はあまり来たいともいえない場所である。色々と、面倒なことがあるからだ。


「二代目、今日はどうしたんですか?」

「いや、二代目はやめてもらえないかな……」


 私達の来訪に、ガランの部下の一人がそのように言ってきた。

 私のことを、二代目と呼ぶのはやめて欲しい。その呼び方は、変な感じがするのだ。


「そうは言っても、二代目はここの長なんですから、それなりの呼び方をしないといけません」

「いや、長といっても、名前を貸しているだけだし……」

「名前を貸しているだけでも、長なんです。然るべき呼び方をしないといけませんよ」


 私は、ガランの後継者としてここの取り纏めとなっている。

 ガランが亡くなった後、ここを取りまとめるにあたって、ガランの娘である私を長にした方が色々と都合がよかったため、そうなったのだ。

 ただ、それは名前を貸しているだけである。ここの取り締まりは、別の人に任せているので、二代目と呼ばれても少し困るのだ。


「まあ、いいじゃない。呼び方なんて、そんなに気にする必要もないと思うわ」

「ほら、姉御もこう言っているじゃないですか」


 そんな私に、クラーナはそのように言ってきた。

 クラーナがそう言うなら、気にしなくてもいいのかもしれない。

 というか、注意してもほぼ無駄なので、流すしかないのだ。


「それで、今日はどうしたんですか? 二代目がここに来るなんて、珍しいですよね?」

「あ、えっと……実は、少し頼みたいことがあるんだ」

「頼みたいこと? なんですか? 二代目の頼みなら、なんでもこなしますよ」


 そこで、話は今日の用件に移った。

 私がここに来たのは、レイコさんのことを頼むためだ。

 現在、ここにいる者達は色々な業務を行っている。その中で、結構な割合を占めているのが運送業だ。

 つまり、ここにいる者達は世界を駆け巡っている。そのため、色々な情報を得ることができるのだ。

 それなら、レイコさんの待ち人のこともわかるかもしれない。そう思って、私はここに来たのだ。


「実は、人を探して欲しいんだ。ただ、名前はわからないんだけど……」

「名前がわからない? それは、中々難しそうですね……」


 私の言葉に、ガランの部下は少し驚いた。

 それも、当然だろう。名前もわからない人を探すのは、かなり難しい。

 だが、レイコさんに、どのような人だったかは聞いている。そのため、それに該当する人を探すのもそこまで無理な話ではないはずである。

 こうして、私はレイコさんの待ち人のことを話すのだった。

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