表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/200

繋がる国々と広がる技術

各国の動きも慌ただしくなって来た。

 国との会議から数週間経った。未だハ-メリック帝国の動きは無いが、その間に同盟国との話し合いも行われていた。蓮見さんと来栖さんは、同盟国との会議に出席し対応策を説明している。


「ご説明頂いた補強については是非、我が国でも行いたい! だが技術者はどうすれば?」


「それについてはアルメリア王国から派遣いたします」


 スレイブ王国の大使を含め各国の見解は一致。補強工事には反対の国は無かった。問題は工事を指揮する人間と職人なのだが。


「我が国ではここに居る信頼雑貨の方々より、職人の育成をして頂いてます」


「それは羨ましいですね。噂によればこの国の発展も目覚ましいと聞いていますよ」


「信頼雑貨といたしましては、製品は売りますが技術は広めるものと考えていますので」


 この会議でアルメリア王国から工事の指揮を行う人間、そして職人を各国に派遣する事が決まった。そしてそれに付随して、職業訓練校に他国の職人も入学する事が認められたんだ。この事により多くの職人が育成され、この世界が新たに発展して行くのだが、それはもう少し後のお話で語られる事になる。



◇◇◇



 その頃、開校した職業訓練校では―――


「では不純物を取り除いた状態で乾燥に入ります」


 これは紙の製造の授業だ。洋半紙の大量製造に向けて、多くの職人育成と工場を建設中なのだが。


「この不純物を取り除く過程を疎かにすれば、製品の質は落ちてしまいます。各人慌てずに作業する事を忘れないでください」


「わかりました!」 「この花からは赤い色が出来るのね」 「これ良いにおい♪」


 紙の製造や花から色素を抽出する授業は、男性よりも女性に人気があった。繊細な作業は女性向きなのかも知れない。一方で金型の作製や溶接などの技術を教える授業はと言うと......。



「この型を作る作業は、同じ部品を作るうえで一番肝心なんだ。ここを間違えると使えないからな!」


「わかりました!!」 「鉄ってこんなドロドロになるんだな」 「おっとここ曲がっちまった!」


 授業を見学していた沢田は、草薙に尋ねた。


「なんだか授業によって色分けされてるんだな」


「そうですねぇ。紙とかの授業は女性用の製品にも使われるんですよ」


「なるほどな。それで女性が多いんだな」


「ええ。ですが皆が楽しそうに授業を受けてますから」


 ここで授業を受けている者の表情は輝いている。将来、その技術を活かし様々な製品を作り出してくれる事だろう。




◇◇◇



 こちらは新設された『ファリス国民学校』。ファリス教の司祭が授業を行っているのだが、何かおかしい?



「だ~か~ら! この字だって!」


「え、えっと、これで良いんでしょうか?」


「ここはこう書くんだよ? プンプン」


「ちょっとマリア! 授業の邪魔したらダメじゃない!」


「だって静香! ウイリィ-の授業つまらないんだもん!」


「つまらないって......真面目に授業してるじゃない! ほら、邪魔になるから!」


 俺と中村さんは授業を見学に来ていたんだけど、ウイリアム神父の授業にマリアさんは納得いかないらしい。とても分かりやすく丁寧な授業なんだけどね。


「えっと、それでは続けますね。次にこの字なんですが......」


 ウイリアム神父も苦笑いで授業を再開する。


「で? 何がつまらないの?」


「う~ん、だってみんな笑って無いよ? シ-ンとしてるもん!」


「は? 授業なんだから当たり前じゃないの」


「ええ⁈ だって私の授業の時、みんな笑ってたよ?」


 どうやら盛大な勘違いをしている様だ。マリアさんの授業ってすぐ脱線するし、可愛らしくて笑ってたんだけどね。中村さんは頭を抱えていたよ。


「それは......あ、後で話しましょう。とにかく静かにね」


「わっかりました-! じゃあさ、お店行こうよ♪」


 マリアさんは中村さんを引っ張って『J-Style』へ向かうようだ。新作の洋服も出ているらしく、街の女性の服装もかなり変わって来ていた。まだ繊維の関係で服の生地は麻が多いのだが、隣国と関係が深められれば綿の輸入も出来るようになる。同盟国との繋がりが深まれば、もっと色々な品物も流通していくだろう。


 俺は中村さん達と別れ、流通管理組合へ向かった。




◇◇◇



 流通管理組合本部~


「お疲れさま。ジュ-ンさん何か問題ない?」


「速水さん、お疲れ様です。問題と言えば、ここで雇って欲しいと言う人がかなり増えてます」


「学校で文字を覚えた人も多いからね。組合の行商人に繋いでも良いんじゃない?」


「それもやってるんですが、どうも速水さんがいるんで本部の人気が高いんですよ」


「あはは。例の事で勘違いされてるんだよなぁ」


「広告塔ですもの。仕事が増えて大変ですね」


「何? ちょっと棘があるんだけど? まぁ確かにやる事が増えたから忙しいけどね」


「うふふ。冗談ですよ。私は感謝してますよ。実家にも早く帰れるようになりましたしね」


 レールが繋がった事で、この国の移動は飛躍的に便利になって来ていた。トロッコでの人の移動も、段々乗せられる人数が増えてるんだ。蒸気機関が開発されれば、1日で国中を移動する事も可能になるかも知れないな。多くの人々が学べ新たな知識を得る事で、この国は発展を続けていくだろう。そして多くの国と繋がれば、技術も広がって行く事になる。




 



多くの繋がりが生まれて来た。これにより発展は加速するだろう。


次話は補強工事と王都の変化。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 出てきた当時から、変わらない(成長しない)マリアさんに、私は心からホットします。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ