国との会議その①
王都へ向かう速水達。さて国との会議はどうなるのだろうか?
翌朝の早い時間にトロッコに乗った4人。途中一泊し、翌日に王都へ到着した。急な訪問になるので、サダラ-ク公爵に宰相へのアポイントと取ってもらう事にした。この役目は俺が行い、専務達に宿の手配をお願いした。
◇◇◇
王都サダラ-ク公爵邸
「こんにちは。信頼雑貨の速水です」
「あら速水さん。どうされたの?」
「フロ-ラ様、ご無沙汰しております。公爵様は居られますでしょうか?」
「ええいるわよ。応接室で待っていてちょうだい」
しばらく待っていると、公爵様とフロ-ラ夫人が入って来た。
「急な訪問申し訳ありません」
「速水君、気を使わなくていいよ。君ならいつでも歓迎だ」
「うちの娘は元気かしら? 手紙には楽しくやっていると書いてあったのだけど」
「ええ、セシルさんは勤勉ですね。評判も良いですよ」
「そうか! 私も心配していたんだよ。姉のアリシアと違って、大人しいからな」
そんな風な前置きの後、本題に入った
「公爵様の耳には既に入っているかも知れませんが、ハ-メリック帝国の件で宰相殿にお会いしたいのです」
「その件はまだ口外されていないが、聞いているよ。分かった明日、お会いできるように話をしよう」
「よろしくお願いします。私の他に代表者の沢田と工場部門から2名来ていますので」
公爵は直ぐに動いてくれるようだ。俺はお礼を言い、手土産に持って来たミニカレンダ-をプレゼントした。間もなく公示される新年表で作ってあったので、とても喜んでいたよ。その後、宿で専務達と合流した。
◇◇◇
翌朝、朝食を食べ終わった頃に王城から使者が来た。今からでも会えるとの内容だったので、準備を早め王城へ向かった。
王城会議室~
「おはようございます。本日はお時間を頂き有難うございます」
「沢田殿、久しぶりだな。今日は例の件の話だと思って良いのかな?」
「はい。王国の方で新たな情報は入りましたでしょうか?」
「それなんだがな、あの国は今情報を遮断しておる。うちも何名か密かに入国させているんだが、誰一人として連絡が取れないんだ」
「そうですか、今日伺ったのは工事の件とハ-メリック帝国に対する対策です」
ここから説明が蓮見課長と来栖さんに代わる。先ずは下水工事の話だ。
「下水工事は前倒しで始めましょう。それとスラムですが、先に取り壊しを始めましょう。同時進行で仮設住宅を建てれば大丈夫ですから」
「そうか。ファリス教も協力してもらえるのでな、早い方が良いだろう」
「取り壊しを始めた段階で、面接も行い働ける場所を確保します。王都の場合、長期の工事になりますので、予算の件お願いします」
「うむ。予算に関しては少し多めに考えている。返事が早くて助かった」
「次にハ-メリック帝国の対策に内からの提案があるんですが......」
ここで蓮見課長から例の補強工事の話を行った。宰相はとても驚きながら聞いていたよ。
「そ、そうか! そのような対応策があるのか! これは早急に国の会議を開かねばな」
「宰相殿、この話を隣国にもしてはどうですか? 同盟国も同じ危険がある話ですし、こちらの職人を派遣すれば国としても儲かりますよ」
「なるほどな。国とすれば関係強化もでき、更に財源の補填もできる。素晴らしい考えだよ」
「資材は輸送できないんで、その国で準備してもらう必要はありますけどね」
「うむ。それも含め話をしておこう。本当に君達には頭が上がらないな」
「いえ、うちの速水も出しゃばった様で申し訳ありませんでした」
「いや良いのだよ。速水君には私達も助けられた。ファリス教と協力関係が出来たのでな」
良かった。怒られると思ってたよ。機嫌の良い宰相に頼まれていた、カレンダ-のサンプルを渡す。それを見た宰相は、とても喜んでくれたよ。
「これがカレンダ-という物か。このマス目は何に使うのだ?」
「空白の部分に予定を入れておくと、確認がすぐに出来るのでおすすめです」
この話の後、宰相は国王に進言し貴族会議が開かれる事になった。明日の朝から開く会議に出席を求められたので、王都にもう一泊する事になったよ。少し時間が出来たので、専務達を連れてスラム地区に向かった。下見をしたいと蓮見さんが言ったからだ。
◇◇◇
スラム地区~
スラム地区に入ると何処からともなく、バルトフェルトさんが現れた。何処から見てるか分からないから怖い。
「速水殿、今日はどうしたんですか?」
「バルトフェルトさん、突然すみません。工事の下見に参りました」
ここで俺以外の自己紹介を行い、バルトフェルトさんの案内で中を見て回る。
「これなら取り壊しは時間が掛からないな。廃材の処理にここの住民を雇える」
「住居を失うやつらの寝床はどうなりますか?」
「それは心配ない。同時に仮設の住宅を作って行く。その日に寝る事は出来るよ」
「そうですか。それなら安心しました。あいつら気が荒いんでね」
そんな会話をしながら、蓮見さんと来栖さんは大体の予定を決めて行った。一通り見終わって宿に帰った3人が一言、「あの匂いはたまらない」とぼやいていた。早急に改善したいね。
貴族会議に参加が決まった速水達。何か新たな意見が出るのだろうか?




