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学校作るなら間に合わせなければ!

やっと実用段階になったのは......

 新たに学校が建設されている現在、信頼雑貨の品質管理部は遂に研究成果を上げる。学校の教材には、教科書が必要になる。急がれたのは紙だった。名刺の需要が高まり紙の製造は急がれていたのだが、遂に納得のいく出来になった。


「岡田君やったなぁ!」


「蓮見さん! やっと出来ましたよ」


 当初から紙を作る事は目指してきたが、和紙に近いものが限界だった。だが今回、洋半紙まで紙の質は高まったのだ。まだまだこれからも研究は続けて行くが、実用段階まで来た事は素晴らしい成果だった。


「これで教材を作る事が出来ますね♪」


「ああ、直ぐに社内にも伝えよう」


 実用できる質になった紙は、増産される事になる。設備は新たに職業訓練校の中にも作られ、実習過程で多くの職人を育てて行く事だろう。そして品質管理部の成果はこれだけではない。


「紙の出来上がりに合わせて、インクも出来上がっています」


「そうか! それも間に合ったか!」


 既に鉛筆の製造は始まっていたが、色を付ける為の研究も進んでいたんだ。これで製品の種類も多様性が見込まれる。


「その副産物で香水の原料も出来ましたよ。かなり多くの花を研究したんでね」


「『J-Style』からも依頼されてたんだったな。今までは石鹸に香りが付くまでだったか」


「ええ。これからは新商品も出せますよ。この設備も訓練校に設置します」


 元々、職業訓練校には鉄工関係の設備だけだったのだが、国から研究に関する設備も欲しいと言われていたんだ。そこで手狭になって来た品質管理部の研究設備を、一部移す事になったのだ。


「だれか講師として派遣できるのか?」


「ええ。山根研究員と村井研究員を講師で行かせます」


「へぇ。研究畑の彼らがねぇ。本人たちに不満は無いのか?」


「彼らは研究できれば不満はありませんよ。意外に教えるのも上手いんです」


「見かけによらないんだな。わかった、その予定で伝えておくよ」


 蓮見は訓練校の時間割と講師のシフトを作っている。昼の部と夜の部の交代制になるので、今後は忙しくなるんだ。


「岡田はこれからどうするんだ?」


「私は電池の実用化と送電設備の研究を引き続きしますよ。もっと明るい街にしたいですからね」


「それは楽しみだな。期待してるぞ」


 近い将来、この街に電線が繋がるかも知れない。電池の方は街灯で既に使用されているし、工場やトロッコなどで電力を生む装置の実用化が進められている。そして国の研究者も続々とこの街に集まっているんだ。更なる発展を目指して......。




◇◇◇




 同じ頃、社内の会議室では沢田専務より、新入社員達に辞令を発していた。


「では、セラフィア君。本日付けで広報部門勤務を命じます。今後の活躍に期待していますよ」


「謹んでお受けいたします」


「続いて......」


 新入社員達は一通りの研修期間を経て実務経験を終えた。しかし向き不向きもあるので、再度所属部署の希望を確認されたんだ。ほとんどの社員が研修した部門に決まったのだが、所属変更を希望する者もいた。


「それと、中村君。君は広報部門と営業部門の兼任希望だったか?」


「はい! 出来れば暫く広報部門の勉強をさせて頂きたく思います!」


 静香は個人的感情もあるのだが、広報の仕事に以前から興味があった。なんでも学生時代はニュ-スキャスタ-に憧れていたんだとか。


「高橋君からも推薦状が届いていた。では本日付けで広報部門勤務を命じます。無理のない範囲でお願いしますね」


「はい! 無理を聞いて頂き有難うございます!」


「ああ、静香様まで行ってしまわれるのです! 困りましたわ」


「フランソワは良かったの? 憧れの中村さんだったのに?」


「メルエンダ、良いのですわ。私も営業のお仕事がんばるのです! マリア様も遊びにいらっしゃるし」


「あはは。マリア様いつも来てらっしゃるわよね」


 フランソワはマリアが大好きな様だが、中村社員に会いに来ているんだよ? 大丈夫かな? と周りの社員達は思っていた。しかし楽しそうに喋るフランソワには言い辛い。ごめんねフランソワ!






 辞令交付が終わった後、昼食を取りに食堂へ向かった静香。そこには何時ものメンバ-が待っていた。


「ちょっと聞いたわよ? やっと動き出したのね」


「え? う、うん。でも千鶴、それだけじゃ無いのよ?」


「ふふふ。まぁそう言う事にしといてあげるわ」


「静香さん、本気みたいね」 「でもいい加減、くっついて欲しいけど」


「おほほ-♪ 楽しくなりそう♪」 「こら! 恵は声が大きいって!」


 千鶴はいつも通りだが、愛と美樹は喜んでいる。恵は先輩をいじりたいが、洋子に止められていた。


「でもライバル多そうね。あのお姫様も一緒なんでしょ?」


「うーん。それは私も分からないの。速水君は妹みたいに接しているよ」


「確かに日本なら絶対ないよね。でもアナマリ様も怪しいよ?」


「そうなのよね。速水君はあり得ないって言ってたけど」


「へぇ-、ちゃんと聞いたんだぁ? 静香も成長したねぇ」


「だ、だって気になるじゃない! ってもう!」


 静香をいじる千鶴の様子を見ていた他の4人は、そう言う千鶴はどうなんだろう? と思っていた。千鶴が速水に興味がある事は知っているから。今後どうなる事やら。


 順調に学校の開校が近づいている中、信頼雑貨の社内でも人事異動や新たな計画も動き始めていた。そして時を同じくして国からある発表があったんだ......




紙って想像以上に製造が難しい。洋半紙は日本で言う更半紙のことですよ!


国の発表はこのお話にも関連する?

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