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裁縫工場新設とレ-ル工事の問題点

また新たな動きがあります。

 開店の準備に追われる『J-Style』。店舗の隣の建物では、大塚係長が下見を行っていた。


「ではこの建物も我々が購入という事で」


「はい。男爵様より売買契約の許可を頂いております」


 『J-Style』が入る建物の両側は、空き物件になっていた。長らく商いを行う人も居なかった様で、グランベルクの街にも空き物件は多い。経済が活性化すれば、より多くの人が店舗を構えるのだろうが......。


「では森田君。ここを裁縫チ-ムにまかせる」


「はい、係長。必要物資は午後から搬入と聞いてますので、まずは立ち合いから」


 店舗の隣に裁縫の工場を併設するんだ。ここのリ-ダ-は、販売部の森田 恵(もりた めぐみ)。補佐として同じく販売部の栗田 洋子(くりた ようこ)が付く。この裁縫工場は、街の女性とナタリ-商会の人間が既に雇われている。現状、2つの店舗分の商品製作を信頼雑貨の建屋で行っていたが、そろそろ限界が来ていたんだ。これから更に飛躍するだろう『J-Style』部門に先行投資する事になる。


「洋子。裁縫台って数足りるかしら?」


「恵。資料を見なさいっていつも言ってるでしょ? まったく......」


「あはは。だっていつも洋子が見てくれてるもの」


「はぁ、ちゃんと発注してるわよ。それと午後からナタリ-商会と打ち合わせだからね」


「はいは-い! それは知ってます!」


 少しお調子者の恵と、しっかり者の洋子のコンビ。入社時から販売部でも仲良しとして認知されているこの2人は、販売部の販促物(はんそくぶつ)を手掛けていた。そして趣味が手芸であった為、裁縫チ-ム発足から中心的な役割を務めていたんだ。この様にして『J-Style』部門は、着々と準備を進めて行くのであった。



◇◇◇



 その頃、工場ではレ-ルの取り付け工事の日程が話し合われていた。増える工事により調整が必要になったのだ。


「来栖君。基本方針は、王都までのル-トを優先で変わりないな?」


「蓮見さん、そこは変更できないですね。隣町の下水工事にうちの若い者を1名派遣して、工事自体は隣町の職人に任す方向で良いんじゃないですか?」


「ああ。彼らもここで研修していたし、工事もこの街で経験済みだったな」


「ええ。技術的な問題はないですよ。ただ街によって変更する部分はありますがね」


「それで誰を派遣するんだ? 工事の指示もあるだろう?」


草薙(くさなぎ)を派遣します。俺以外では一番の古株ですし、あいつなら大丈夫でしょう」


「そうか。あいつなら安心だな。後はレ-ル工事だが......」


 レールの取り付け工事は、まず設置する場所の選定に時間が掛かった。出来れば取り付けやすい街道沿いにしたかったが、野盗などを考慮しなければならなかったんだ。そこで農地の一角を線路として開放して貰い、直線的に王都へ向かうル-トを決めた。勿論、土地の利用は各街の領主と農民にも許可を得ている。後はレ-ルが繋がる駅となる建物も建設しなければならない。


「駅の建設は予定地点で既に始まっているんだったか?」


「ええ。シルバでは既に始まっていますよ。暫くは荷受け場になりますから、簡単な物でしょうが」


「そうか。一番の問題は王都だな。そこは国に任すしかないが」


「ですね。防犯の事も考えないといけませんしね。後は外壁問題ですか」


「それが一番問題だな。部分的に崩す事も考えねばな」


 独立した駅を作るのは簡単だが、防犯をどうするのか? 新たに外壁を設けるのか? そう言った問題もあるので、この工事では打ち合わせが多い。国が積極的に推進してくれているので、問題点は徐々に改善して行っているのだが。



◇◇◇



 同じ頃、シルバの街にライアンが居た。レ-ル工事の打ち合わせがてら、友人であるスコットに会いに来たのだ。


「やぁ、ライアン自ら来てくれるなんて、びっくりさせないでよ」


「まぁ、久しぶりに顔を見に来たんだよ」


「そう言えば、彼らと共に来た以来だったね」


 そう言いながら握手を交わした後、本題であるレ-ル工事について話し合いが行われた。


「こちらからは、この農地を通ってシルバのこの地点に繋がるんだ」


「うんうん。この場所を予定して、荷物が通れる部分を作るんだよね」


「ああ。それに合わせて今度は、次の街へのル-トも決めないとダメだ」


「それについては、フィリップスと打ち合わせ済みだよ。あっちも準備に追われてるようだった」


「基本的に駅は独立して作って、レ-ルは直線的に繋がるようにしたいらしい」


「そうしないと、街に直接となると工事が難しいよね」


 貴族達の話し合いで、基本は街の外に駅を新設する事。駅から街までの間に新たな外壁を作る事。この2点については、決定した。駅には衛兵も常駐し、貨物の検査も行われる。現在アルメリア王国中で、隣り合った街の貴族が話し合いを進めていた。この工事によって貴族間の付き合いも増えて行き、これまでのわだかまりも緩和して行く事になる。今回の大規模工事は、流通以外にもこの国に良い影響を与えていたんだ。

多方面で影響を与えて行く信頼雑貨。また新たな社員もクロ-ズアップされました。登場人に関しては、この章の終わりで一覧を掲載予定です。

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