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シスタ-さんも商売人なの?

これが、現実ですよね

 翌朝、眠たい目を擦りながら起きた。疲れてたのかな? まだ眠い。


「速水! 起きてるか? 若いねんから頑張って起きなあかんで!」


「田村か、 おはよう。朝から元気良いな」


「なんや、眠たそうな顔してからに! 大方、憧れの中村さんの夢でも見てたんやろ?」


「ちょ! やめてくれよ。誰かが聞いてたらどうすんだよ!」


「ええがな! そんな事より早く飯食って行くで!」


 ホント元気だな、田村の元気を分けて欲しいわ。そんな事を思いながら食堂へ向かった。



◇◇◇




「あら、速水君おはよう♪」


「中村さん! お、おはようございます!」


 くそっ! 田村のせいで変に意識してしまったよ。横でニヤニヤする田村に肘打ちをした。しかし、今日も中村さんは、輝いてたな。おかげで目も覚めたし今日の予定を決めなければ……。


「で、今日は速水の言ってた教会へ行くんやな?」


「ああ、まずは文字を教えてもらおうと思う。出来れば、此処に来てもらう方が良いんだけど」


「それは、交渉次第やな。俺の知る限りこの世界は、教会が幅を利かせてると思うで」


「何でそう思うんだ? 俺のイメージする教会は、神聖なものなんだけど?」


「甘い! 餡子(あんこ)みたいに甘すぎるで! 神様も商売なんやで? 裏の顔は腹黒に決まっとる! 」


「ええー、そうなの? それなら経理に相談した方が良いか?」


 妙に自信有り気な田村に押されて食事の後、1Fの経理部門へ向かった。




◇◇◇




「おはようございます! 大塚係長居られますか?」


「おはよう速水君。朝からどうしましたか?」


 大塚係長にも先程の話をして念の為、金貨2枚を預かった。お布施の相場が解らないから多めに持たせて貰ったんだ。教会に行くのは、俺と田村、そして総務部門から倉木さん(女性)と護衛代わりの(ガン)さんだ。この人選は、昨日の全体会議で決めてあった。倉木さんは、小柄な女性で社内のリクリエーション等を企画している人なんだ。明るくて元気が良いから隠れファンんも多いんだよ。田村は、倉木さんのファンだと思う。教会へ向かうまで、ずっと話しかけてるし……。絶対、後でいじってやるからな!



◇◇◇




グランベルクの教会~


「おはようございます。ライアン様からのご紹介で参ったのですが…」


「はい! 今行きます!」


 そう言って出て来たのは、金髪を肩まで伸ばした青い目の女性だった。うん、イメージ通りのシスターだったよ。お名前は、マリアさん。名前まで予想通りだ! 挨拶をした後に、紹介状を渡した。


「成程、文字を教えれば良いのですね? 言葉は喋れるようですが……」


 そこで、ここに来た経緯を話して、意思の疎通は出来るが文字が書けない旨を説明した。ひとしきり何か考えながら聞いていたマリアさんだったが、突然スイッチが入ったようだ。


「それでは、かなりの人数になりますねぇ。教会もそれほどお時間が取れるかどうか……」


「それなら私共の建物に来ていただいて、大部屋で講師をして貰えれば…。勿論、お気持ちはさせて頂きます」


 お気持ちの部分で、びくりと反応するマリアさん。うん、隠せない人だな。ここで、とりあえずお布施として金貨1枚を差し出した。


「そんな、お気持ちだけで!」


 そう言いながらお顔がニコニコしてますよ? お金大好きなんですね? ホントに田村の言う通りだ。この後、倉木さんを中心に会社での勉強会の日程を決めて行った。明日から、朝と昼からの2回に分けて文字を教えてもらう事になる。教会を出た後は、ギルドに商会の登録に向かった。大きな建物だからすぐにわかる。



◇◇◇




「失礼します! 登録に伺ったのですが……」


「ご登録ですね? こちらの用紙を確認の上、サインを頂けますでしょうか?」


 ここで、受け取った書類には細かな規約が書かれていたが、特別不利になるような文言は無かった。組合に登録料が銀貨10枚。登録しないと商売が出来ない仕組みだ。このギルドで、色々な業種の人を紹介してもらえるらしい。既に男爵から話が通っていたので、登録自体はスムーズに進んだよ。


「では、こちらがギルドの登録証になりますので、提示を求められたらこの札を見せて下さいね」


 無事に登録を終えた後は、(ガン)さんからのお願いで街の食材を見て回った。野菜や肉など特に目新しい物は無かったが、俺達が普段食べている食材と、あまり変わらない事が確認できて良かった。ただ、調味料に関しては、塩と砂糖の他によくわからない香辛料があったので、研究の為に買って帰った。買い物をしながら店の人達に話を聞いたが、やはり魔法は無いらしい。田村がめちゃくちゃ凹んでたよ。俺も拍子抜けだったけど……。ただ、これで問題が一つ出て来た。燃料の問題だ。備蓄のプロパンや電池等が切れると燃料の代わりになる物を探さないといけない。火に関しては、今の所大量にあるライターとポケットボンベで代用するが、無くなったらどうなるか? 帰って工場部門と相談しないと。この世界では、火打石か火打ち金を使用して火を(おこ)しているらしいが、俺達にできるんかな? そんな不安を抱えながら会社へ歩いた。




商会として登録が完了。いよいよ商売ですが、問題も出てきました。さぁ、ここは、メイドインジャパンの出番だよ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 田村はなかなか鋭いというか、勘の良いところがありますよね。
[気になる点] 字が読めないのに契約書の内容わかったの?
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