表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/200

王都到着~公爵との会談 前編

やっと王都に到着。さて公爵はどの様な人物なのか?

 翌日、早めに街を出発した俺達は、お昼前に王都に到着した。貴族専用門から入った為、長い行列に並ぶ事は無かった。こういう時は、特権の有難みを感じますな。


「速水、やっと着いたで。3日程度の距離を完全に舐めてたわいな」


「そうだな。歩いてみないと分からないもんだなぁ。これからは、運動もしないと」


「運動は堪忍や! 遠出はもう堪忍してほしい」


「速水君。お疲れさまでした。身体大丈夫?」


「中村さん。何とか大丈夫ですよ。そちらも大丈夫ですか? 慣れない馬に乗っての旅でしたが?」


「ええ、私は大丈夫。愛と美樹がちょっと酔ったぐらいかしらね」


「あら、静香。私を忘れてませんか?」


「千鶴。 忘れてないわよ。何か棘のある言い方ね?」


「ふふふ、イチャイチャを邪魔したい訳じゃないから安心しなさいな」


「もう! またそんな事言って」 「でも見えますもんねぇ」「そうだ! そうだ!」


「あら、愛と美樹は大丈夫なの? だいぶ酔ってたみたいだけど?」


「私は、大丈夫です。馬酔い? なんて初めてでしたが、さすがにもう慣れました」


「倉木さん! 大丈夫なんでっか?」「ありがとう。田村君こそ大丈夫そうで良かったわ」


「なんか、私だけ出遅れ感が……。誰か心配してください!」


「ははは。美樹ってあんまり目立たないもんね。販売部なのに……」


 ここまで目立つ事の無かった販売部の安田 美樹。ここから出番を増やさないと! と闘志を燃やした。 王都に到着してすぐに公爵邸へと向かうのかと思っていたが、会談は明日になるそうだ。今日はライアン男爵の王都にある屋敷で疲れを取って、明日のお昼に公爵の屋敷に向かう予定となった。俺達も疲れていたし、落ち着いて休憩できれば身体も休まるだろう。男爵の屋敷に到着した後は、与えられた部屋で少し休憩し、昼食を食べてから会社の仲間達と集まった。明日の会談の為の打ち合わせだ。


「とりあえず明日の会談時の贈り物は、当初の予定通りよね」


「ええ。中村さん達は、夫人用に用意されてるんですよね?」


「そうよ、静香だけじゃなく私達で考えたからね」


「花崎さん、何か怒ってませんか?」


「そんな事ないわよ。速水君……」


 ちょっと怖い雰囲気も感じながらも、明日の打ち合わせは続いた。女性ならではのアイデアや田村が場を和ませる事で、楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。さぁ、準備完了です。




◇◇◇



 翌日、護衛の方に案内されながら公爵邸へ向かった俺達は、目の前の大きな屋敷にため息をつく。


「なんやこのデカい屋敷は! どっかのお城ちゃうんか?」


「……ま、まぁ確かにデカいな。日本でもここまでの屋敷は見た事ないかも」


 門の守衛にクラ-ク伯爵からの手紙を渡し暫く待っていると、執事と思われる人がやって来た。


「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」


 後に続き屋敷内に入ると応接室に通された。そこで10分程待っていた所、部屋がノックされた。


コンコン。「失礼します。サダラ-ク公爵閣下のご準備が出来ましたのでご案内します」




◇◇◇




 執務室と思われる場所に案内された俺達は、相手の合図を待って入室した。


「失礼致します。私、信頼雑貨株式会社の速水 慎一と申します」

「同じく、信頼雑貨株式会社の中村 静香です」

「同じく、田村 篤です」「安田 美樹です」「花崎 千鶴です」「倉木 愛です」


「私が、ジョルジュ・サダラ-クだ。君達の事は、クラ-ク卿やグランベルク卿から聞いておる」


 温和な感じを受けるその男性は口ひげを蓄え、やわかな微笑を浮かべながら俺達を迎えた。既にソファ-には夫人と思われる女性と少年、少女が1人づつ座っていた。俺達はそちらに行き、もう一度挨拶をした。夫人は、フロ-ラ様で、少年がご子息のジョ-ジ様。少女がご息女のアリシア様。想像していた厳格な感じではなく、見た目の印象通りの方々に思えた。俺達の差し出した名刺に興味津々なご様子だったので、早速贈答の品を手渡した。


「こちらは、公爵閣下の名刺になります。品質的にも最上級の品物になります」


「おお! これがクラ-クの奴が言っておった名刺なのだな。この上質な紙、それに豪華な箱。これは、貴族の品格を表すものとして有用だな」


「そう言って頂けると、安心致しました。本日はお名刺以外にも、数点の贈り物をご用意致しております。どうぞ手に取ってお確かめ下さい」


 俺と田村が公爵に品物を渡している間に、中村さん達が夫人に贈り物を渡していた。しばらくの時間贈り物に対する質問等で盛り上がっていたが、落ち着いたところで真面目な話をする。


「そろそろ、こちらの話もしようか?」


「はい。そうですね。私達もこれからの事がありますので、きちんとお話したいと思います」


 それを合図に夫人とご子息たちは一旦別室に移動された。送った品物は執事の方が持って行かれたので、別室の方で楽しまれるのであろう。


「まずは色々とこちらの思惑とは違い、危険な目に合わせてしまった事を謝罪しよう」


「いえ、その件はグランベルク卿からも謝罪を受けていますので」


「うむ。色々と知った上でこちらと協力できるのか?」


「はい。出来れば公爵閣下のお力もお借りして、国全体を活性化したいと思っています」


「活性化? それはどういう意味だね。それだけの力があると言っているのか?」


「ええ。私達にはこの国を活性化させるだけの知恵があります。ただしそれには、皆さんのお力を借りなければなりません」


「知恵とな、面白い! 興味が出て来たな。是非ともその知恵とやらを聞きたい」


「勿論、そのつもりでこちらに参っております」


 こうして公爵との話が始まった。貴族を巻き込み国を活性化する案とは何か……。

この後、夕食時まで続く長い話になるとは、思ってもいなかったよ。



 




速水たちの考える案とは何か? 次話へ続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ