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会社ごと異世界に転移してしまったが、うちの社員は商売上手だった件  作者: 早寝早起き
変化する国々編(ハーメリック~ファインブル・グ-テモルゲン)
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パワフル聖女様⁈

レイドの街で待っていたのは......

 馬車の襲撃という少し衝撃的な事はあったが、俺達は無事にファインブル王国に入国した。


 入国時もそうだったんだけど、ファインブル王国の国民からとても歓迎されているんだ。


「なぁ速水、あれってやっぱりそうやんな?」


「え? あ、そうだな。メーガン様だよ」


 てっきり街の領主様のお出ましかと思ってたんだが、聖女が直々にお迎えだったんだよね。


 メーガン様も()()()美人さんだ。重ねて言うよ。()()()美人さんなんだよ。


「待ってたわよ! 速水君にマリアちゃん! それに皆様もね!」


 そう言って順番にハグしてくれるんだけど、これがまた凄いんだよ! その溢れる様な胸の物をこれでもかと......はい。嬉しい反面苦しいのです。勿論男性陣の鼻の下は伸びっぱなしですけどね。


 メーガン様は分け隔てなく接する人なんだが、いちいちリアクションが大きいんだ。


 そういう意味でマリアさんとは違う残念美人さんなんだよね。


「メーガン様、どうしてここまで来られたんですか? 私達も王都へは向かうつもりだったんですが」


「速水君。君に会いたかったんだよね。色々と聞きたい事も沢山あるし」


 肩を組みに来てそう言うメ-ガン様。フレンドリ-な人だほんとに。そして周りから突き刺さる視線が熱いぜ!(後で絶対謝ろう)


 宿の手配等もあるので各自で分散したんだけど、俺・静香さん・花崎さん、それにマリアさんは、メ-ガン様と一緒に移動した。


 メ-ガン様が宿泊しているのは、この街の領主の館だ。後で挨拶も行かないと駄目だな。


 そうして到着した屋敷は、グランベルクのライアン男爵邸に近い大きさだった。


 特に驚く事もなくメ-ガン様に引っ張られる様に屋敷に入って行く。そこで執事さんに挨拶し領主様の予定を確認したんだが、どうやら王都へ出かけてるらしい。


 後日挨拶に伺う事を伝言し、応接室へ入った。


「ほんと待ちきれなかったよ。さぁ早く話を聞かせてくれ!」


「ちょっとメ-ガンお姉ちゃん! 何の話が聞きたいの?」


「マリアちゃん! 全部よ! ぜ・ん・ぶ!」


 ここでメ-ガン様のお付きの方が耳打ちしてきたんだ。エルミナ教の教皇でもあるミ-ガン様は、新しい事が大好きな研究者でもあるらしい。なので俺達の行って来た改革や技術等の話をとても楽しみにしていたんだってさ。


 それが分かった俺達は、自身が行って来た仕事を内容を語った。その話の中には俺達の考え方も含まれていた。どうしてもこの世界と価値観の違いは出て来るし、それが変われば良いと思っている事もある。


 かなり長い時間話していた気がするが、メ-ガン様のリアクションが楽しかった。噂話と俺達の話では信憑性が全く違った様で、もう目が輝いていたんだよ。(マリアさん以外は全員ドン引きだった)


「なるほどな。やはり興味深いよ君達の世界の技術は凄いねぇ」


「確かにこの世界の水準に比べるとかなり発展してますね。ただ勘違いしないで欲しいんですが、あくまでも俺達が知っている部分だけですけどね」


「そう壁を作らないでおくれよ。私は君達の全面的な味方だし、この国の王や貴族にも釘を刺しておくからさ」


 そう言って豪快に笑うメーガン様。姉御って呼んでいいですかね? 


「メ-ガン様には分かってもらえると思うんですが、私達は技術の()()はしませんから。その部分で勘違いされる人も多く知ってるんですよ」


「うむ。確かに君達の価値観では、この世界の王族や貴族の考え方は理解できないだろうな。ただあ奴らも権力に弱いんだよ。この国ではエルミナ教と言う権力がな」


 今度はウインクしながらそう返すメ-ガン様。えっと......ウインク下手ですね。両目閉じちゃってますよ!


「速水君達はこのままこの街で活動始めるんだろ? 私もしばらく滞在するから、困ったことがあればいつでも相談してくれ」


「分かりました。ではそろそろ他のメンバ-と合流します。今日は楽しかったです」


 終始明るい雰囲気で話していたら、既に夕ご飯時だった。マリアさんがソワソワしてるから、早くご飯にしないと騒ぎ出すからね。絶対に。


 玄関まで見送ってくれたメ-ガン様に手を振りながら、皆が取ってくれているだろう宿を目指した。


 街はこれまでの国と同じで、とても土埃が多い。マスクをしないと喉がやられそうだなと思いながら歩いた。





◇◇◇(宿やがな!)





 事前に聞いていた宿に到着すると、俺達の馬車が止まっている。どうやらここで間違いなさそうだ。


「遅かったな。もうすぐ飯の時間だから、このまま食堂へ行こうか」


「来栖さん、お疲れ様です。遅くなってすみません」


「まぁ特にやる事も無かったんだが、あの聖女さんに捕まったか?」


「ええ。かなり俺達の話に興味があったみたいで。彼女も研究者の様ですよ」


「へぇ。なら岡田さんとか間宮と話が合うかも知れないな。ただあの勢いについて行けたらだが」


 ちょっと想像してみたが、ちょっと無理だろうな。岡田さんはまだ明るい性格だけど、間宮さんは内向的な性格だしな。


 そんな話をしながら向かった食堂なんだが、何やら騒がしかった。何だろうと思って見ると、その中心居るのは岩さんだった。


「お? 帰って来たか。じゃあそろそろ始めるぞ! 俺の指示通りに頼む!」


「へい! 岩本の兄貴!」


 ......何だあれ?! 岩さんは当たり前のように調理場へ入って行くし、着いて行ったのは此処の調理師じゃ無いの?! 何時の間に弟子みたいになってるんだよ!


「速水、言いたい事は分かるけどなぁ。おもろいからええやん?」


「田村、どうしてああなったんだ?」


「岩さんがな、今日は調理場借りて料理するつもりやったんや。それで話をした時に調理師と話をして......」


「はぁ。それで話してる間に仲良くなって、その調理師さんが兄貴認定って事か」



 まぁ岩さんと関わった人はその人柄と技術に惹かれるみたいだしな。でもあの感じだとこの国の職人さん達も勤勉なのかも知れないな。お国柄的に!


 食事が出来上がるまで皆で明日からの予定を話し合った。とりあえず街の現状把握を優先して、現地の職人さんやお店などを周る。集まった情報を精査して、今後のスケジュールを立てる事に決まった。


 俺も暫くはこの街で活動するつもりだ。これまでは先に王都へ向かっていたが、どうしても移動に時間が掛かりすぎる。それに本音を言うと静香さんが心配なんだ。


 入国前に襲撃もあったし、まだ100パ-セント安全が確保されて無いしね。出来れば側に居たいんだよ!



 次の日から街の調査が始まりこの国の水準も分かって来た頃、俺達の前に援軍が到着したんだ―――



特徴的な聖女に振り回されそうな予感。負けるなマリア!(笑)


次話は援軍。

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