表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
会社ごと異世界に転移してしまったが、うちの社員は商売上手だった件  作者: 早寝早起き
変化する国々編(ハーメリック~ファインブル・グ-テモルゲン)
164/200

ファインブル王国へ!

ハ-メリック帝国の開発が終わり、次に向かうのは......

 ハ-メリック帝国での活動が終わり、俺達が次に向かうのはファインブル王国だ。


 ここでこれから向かうファインブル王国の情報を語ろう。


 ファインブル王国は、ミゼロ・ファインブルが治める国だ。この国で盛んなのは、学問。


 これにはこの国で信仰されているエルミナ教と関りがある。女神エルミナの権能は才能なんだ。


 この為、学問を学ぶ事を国が推奨している。但し一般国民は、裕福な家以外は他の国と変わりない。


 とまぁ、会議の際にメロ-宰相が教えてくれたのはこの程度なのだが。


「なぁ速水。今誰と喋ってたんや?」


「ん? それは中の人? まぁ良いじゃないか」


「あら? (つつ)いたらアカンかったか。それより今後の予定どうなるんや?」


「そうだな。これから向かうのは、ファインブル王国の国境の街レイドだな。だいたい3日ぐらいかかる」


「3日? 蒸気機関車やったらもっと早いんちゃうんか?」


「あれは1日に1本だし、まだファインブル王国には繋がってないだろ? 国内の移動どうするつもりだよ」


「あっそうかそうか。足の事考えてなかったわ。ほんなら馬車でって事やな」


 そんな会話をしながら出発の準備を進めた。出来るだけ少ない荷物が理想なんだけど、ファインブル国内の生活水準がわからない。必然的に小物類とかが増えてしまうんだよねぇ。


 それからファインブル王国に向かうメンバ-なんだけど、アルメリアから何名か増える予定だ。その事は事前に連絡を貰っている。


 誰が来るかは今の所はっきりしていないんだが、俺達は先にレイドの街へ出発だ。





◇◇◇




 馬車が出発して1日目の野営地で、護衛の人が俺達に注意を促した。


「どうしたんだろう? まさか野盗か?」


「速水君! どうしよう!」「ちょっといきなりなんなの?」 


「静香さん、花崎さんも少し落ち着いてください。大抵の事は、この馬車の中に居れば安心ですから」


 馬は大丈夫じゃないけど、車体はとっても頑丈な仕様だ。今のうちに窓もシャッタ-閉めておこう。


「田村! 窓のシャッター閉めといて! 他の人達もとりあえず落ち着いて!」


 実は出発前にハ-メリック帝国の人から聞いていたんだ。国境の街までの道程は少し治安が悪いって。


 田村や他の男性陣には伝えてあったはずなんだけどな。


 コンコン。


「はい。外はどうですか?」


「速水殿。もう大丈夫です。詳しくは後程話しますが、馬車を進めますね」


 今の合図は御者の人だ。一応御者席も防御出来る使用なんだが、外なので心配だった。


「ご無事な様で安心しました。お願いします」


「はぁ。速水は何でそんなに冷静なんや? 俺はアカンわ。ビビってもうた」


「ん? 帝都へ向かう時もこんな感じの出来事があったからさ。まぁその時も大丈夫だったんだけどね」


 帝都へ向かったあの夜、相手が衛兵じゃ無かったら俺もここに居ないだろう。


 それから3時間程走って、今日野営する場所についた。野営と言っても小さな村の中なんだけどね。





◇◇◇




 到着して直ぐ確認したのは、後続の馬車の事だ。今回は2台と岩本さんの『キッチンカー』で来ている。


「良かった。全員無事な様ですね」


「おお速水。さっきはちょっと危険だったな。速水からは事前に聞いていたけど、実際に止まると焦っちまうよ」


「来栖さん、そう言ってもすぐにシャッタ-閉めてたじゃないっすか」


 来栖さんと安藤さんが笑顔で降りて来た。他の職人さん達も無事なようだ。


「おっちゃん! お腹空いた!」


「お嬢ちゃん無事だったか。じゃあ晩飯の用意始めるな」


 マリアさんは凄い元気なんだが、さっきまで寝てたしな。あれだけ騒いでも爆睡だったし。


「速水様。先程のご報告よろしいですか?」


「はい。ではあちらで聞きましょうか」


 今話しかけて来たのは、ミネルバ教の暗部の人だ。今回の護衛としてロザヴィア様が派遣してくれたんだよ。


 皆と少し離れた場所に移動して先程何があったのか聞いた。


「先ず襲ってきたのは旧勢力の残党でした。全てこちらで対処いたしましたが」


「旧勢力と言うと前皇帝ですか? 対処されたという事は......」


「はい。正確に言うと廃爵になった者の関係者でした。見つければ粛清の対象者なのでお気になさらずに」


「そ、そうですか。皆様お怪我は無かったのですか?」


「私共は全員無事ですよ。それでは警備に戻りますね」


 俺達も旧勢力に恨まれてるのか。確かに全くの無関係とは行かないんだろうな。


 こうして襲われる事は未だに恐怖だ。慣れる物じゃないしね。


「速水君。どうしたの? 怖い顔してるよ?」「ほんと。顔色が悪いわ」


「静香さん。花崎さん。大丈夫ですよ。ちょっと考え事をしていました」


 心配かけてしまったみたいだな。俺は少し迷ったんだけど、夕食の時に皆にも襲撃の話をする事にした。


 国境を越えてファインブル王国に入国しても、襲われない保証が無いと思ったんだ。


 逃げた旧勢力の人間がファインブル王国に潜伏していても、対処しない訳には行かないしな。


 今回の護衛である暗部の人達はこのまま、ファインブル王国とグ-テモルゲン王国でも警備をお願いしている。


 やはり初めて入国する国では、安全の確保が最重要だからさ。


「そうか。そう言う勢力も残ってたんだな。俺は工事一辺倒で気が付いていなかったよ」


「ハ-メリック帝国の国内では、衛兵の皆さんが守ってくれてましたから。それに今いる暗部の方達も、俺達の知らない所で警備してくれてたんですよ」


 来栖さん達の警備も実は暗部の方々がやってくれていたんだよ。ロザヴィア様に聞いて、お礼と差し入れしといた!


「ほんまかいな! 全然気付かへんもんやなぁ」


「篤さんはちょっとボケっとしすぎだからね」


「はいはい。アンタらほっといたらすぐにイチャイチャするよねぇ」


 田村と倉木さんのやり取りに、安田さんが突っ込む。まるで俺と静香さんに花崎さんが......。


 こんな感じで襲撃の恐怖は薄らいでいった。皆でいるから少し安心できるんだよね。


 ただ気を抜きすぎるのも駄目だ。この世界には常に命の危険があると思っておかないとな。


 幸いこの日は何事も無く過ぎ、翌日も無事に過ぎて行った。


 そして3日目、目的のレイドの街に到着したんだ―――





 


 

ハ-メリック帝国を出発しまさかの1日目で襲撃。速水達も少し気が引き締まっただろう。


さてファインブル王国の国境の街レイドはどんな街なんだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ