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会社ごと異世界に転移してしまったが、うちの社員は商売上手だった件  作者: 早寝早起き
変化する国々編(アルメリア~サリファス・スレイブへ)
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ダム建設工事と発電所計画

王都に居る高橋と蓮見の前に現れたのは......

 蓮見と高橋がダム建設現場の下見を終わり、王都へ戻って来た。


 そんな彼ら二人の前に現れたのは、意外な組み合わせの人物だった


「お久しぶりでごじゃる!」


「高橋様、蓮見様お久しぶりでございますわ!」


「トミ-神父とセラフィア様ではございませんか。王都にご用事でも?」


「なんか意外な組み合わせだなぁ」


「セラフィア王女とセルビナ教本部へ参ったのでごじゃるよ!」


「学校事業の協力をお願いしに参りましたの!」


「あ......まるっきり抜けてましたね」


「高橋、ちゃんと覚えとけよな」


「蓮見ぃ、お前だって忘れてただろうが!」


 高橋と蓮見は公共事業としての工事関係に重点を置いていた為、教育改革の部分は抜けていたのだ。


 沢田専務はそれを分かった上で、セラフィアを派遣したらしい。


「それで感触はどうでしたか?」


「イメルダ教皇はオッケッケ-でおじゃるよ!」


「先程、私とトミ-神父で国王様と宰相様にはご報告して参りましたのよ!」


 トミ-とセラフィアは実はしっかりものであった。


 伊達に神父と王女では無いのである。


 それに宗教交流や外交上、この二人の組み合わせはベストとも言えた。


「高橋様と蓮見様はこの後どうされるのです?」


「俺は速水達のように組合設立の手続きを中心に、まだ暫く王都に居るつもりだ」


「セラフィアちゃんは高橋を手伝ってくれるか?」


「俺の方は工事の図面みながら職人と打ち合わせがある。それにダムを造るなら電力設備についても考えないとな」


「電力設備でごじゃるか? あの工場のグルグルした?」


「ぐるぐるかぁ、言い得て妙だが。今回はもっと大きな設備だ」


 高橋はこの国の流通を管理できる下づくりの為、商業ギルドと打ち合わせを進めている。


 対して蓮見はダム建設と国内の橋の架け替え、それに水力発電設備もあわせて構想中だ。


 発電設備については、ダム式・ダム水路式を採用する予定だ。


 落差を利用するものなので、電力自体は起こしやすい。


「電力設備はダムが出来上がれば、難しいものでは無い。問題は資材関係だな」


「資材ってダム建設のか? コンクリ使うんだろ?」


「いやコンクリ-トは準備出来るんだ。俺の言う資材は電源ケ-ブルや発電機の方だ。部品関係を作れる設備が無いだろ?」


「ああ、グランベルクなら直ぐに作れても、この国には設備ないかぁ」


「蓮見様、それなら定期便で運んでもらえばよろしいですわ!」


「セラフィア、定期便って?」


「ご存じありませんかしら? 7日に1回、こちらの国にも定期便が入りますのよ」


「え? そうなのか? 聞いてなかったな」


 定期便は、田村達がこの国に出発した段階では決まっていなかった。


 現在はギャランの街とサイラスの街がレ-ルで繋がった事により、定期便の運行が可能になった。


「今頃、ギャランの街に第一便が到着しているはずですわ」


「そうか! それなら必要部品明細送って作らせた方が早いな」


 蓮見はこの国の製錬場などを改築して金型などを作ろうとしていたんだが、それだと工事が進まない可能性があったのだ。


「トミ-神父はこの後どうするつもりなんだ?」


「一度ギャランに戻るつもりでおじゃるよ。お店出すなら手伝うのである!」


「そうは言っても1人で帰るのはちょっとなぁ。高橋に少し付き合ってもらって一緒に帰ったらどうだ?」


「そ、そうですわ! お一人で帰るのは危ないですわよ!」


 トミ-神父は少し悩んだようだが、他国で1人の移動は危険だ。


 高橋たちの説得で一緒に行動する事になった。


「じゃあ、帰る時に一声掛けてくれ! その時に欲しい部品リスト渡すからアルメリアへ送って欲しい」


 蓮見はそう言った後、打ち合わせの為に出かけて行った。


 それを見送ってから高橋、セラフィア、トミ-も商業ギルドへ向かう事にした。




◇◇◇



 3人と別れた蓮見は、石工ギルドと鉄工ギルドのメンバ-達と打ち合わせに入った。


「それじゃあ、簡単に工事について話しておこうか」


「石工ギルドからは、そのコンクリ-ト? の材料を手配でよろしいのですね?」


「ああ簡単に言うとセメントに砂と砂利と水を固めた物だ。出来るだけ水をせき止める目的だからな」


「じゃあ鉄工ギルドとしては角材で良いのかい?」


「細かい部品関係はうちの方でも手配するが、骨組みは橋の架け替えにも使いたいんだ」


「橋がメインと考えて良いのかい?」


「今の所はそう思ってくれ。まぁ橋の土台にもコンクリ-トは使うんだがな」


「しかし蓮見さん、このダムを使った発電設備? ってよく分からないんだが」


「発電設備については、おいおい説明するよ。先ずはダムと橋を優先しよう」


 ダムの建設は普通に工事していたら数年かかる。どの程度短縮できるのかは、今の所未定だ。


 橋の方は数が多いのだが、ある程度目途はついている。


 道路整備と併せて新しい橋が出来れば、流通自体はこれまでよりも飛躍的に早くなるだろう。


 そしてスタ-トする公共工事。この国初めての大掛かりな公共工事は、各産業の活性を促す事になる。


 そして今回の工事で地味に活躍するのは、安藤にいさんなのだった―――


打ち合わせも終わり公共工事はスタ-トした。初のダム建設は上手く行くのだろうか?



次話は安藤にいさんの活躍!

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