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過剰ラッキースケベ

いつもみたいに生き返って、

「ちょ、ちょっと! なんでいきなり自殺するのよ! あなた気は確か?」

「うん! 僕平気!」

あなたはかすかに唇に残るえっちぃ感触を存分に堪能した。なんか死んでいたから覚えていないけど、柔らかくてスベスベでエッチな何かが唇に押し付けられていたような気がしてきた。本当は覚えていないけど、なんかそんな気がする。

「みんなびっくりしているわよ! いきなり狂ったようにコンクリートに顔面を打ち付けるから! 大工が使うハンマーもこんな雑な使い方されないわよ?」

よく見るとそばのコンクリートには『バラバラ死体の惨殺現場か?』ってくらいむごたらしい血の黒海があった。脳みそぶちまけたみたいだ。

「ううん。僕平気!」

「平気ならいいけど」


うわー。やったあ。おっぱいを顔で触ったし、女の子に人工呼吸もしてもらえた。これでもう大満足。

「夜も更けてきたけどどうする? もう帰って一緒に寝ましょうか? それともまだ続きする?」

「まだ続きするっっっっっっ!」

さっきからあなたは小学生のように元気にハキハキと返事をする。まるで心が若返ったみたいだ。

「そ、そう! じゃあはい。手が勝手に動いた!」

そしてアリシアはあなたの腕を強引につかんで自分の胸に押し当てた。右の手のひらにホワイトホットマシュマロのような柔らかな感触が流れ込んできた。

その瞬間、あなたの興奮は沸点に達した。鼻の中の粘膜という粘膜が一気に蒸発して大量の血液がバケツをひっくり返したように溢れた。あなたは死んだ。


死因は失血死だった。


いつものように生き返って、人工呼吸器されると、

「あなた、さっきからワンアクションごとに死んでいるけど本当に大丈夫かしら? いい加減心配になってきたわ」

「ううん! ぼくだいじょうぶ! それより早く続き!」

「わ、わかったわ」

そして、アリシアは俺から少し離れて、こっちをまっすぐ見る。俺は地面に座っている状態だ。

「きゃ、きゃー。ぶつかるー」

助走をつけて走り出した。まっすぐ鋭い眼光が俺を捉えている。まるで獲物を捕食する蛇だ。

そして、ラッキースケベが発動した。俺とアリシアがぶつかった直後、衝撃の後に目を開けた。すると、

「きゃーエッチー!」

なんとアリシアがあなたの下敷きになっていたのだ。あなたは倒れこむような格好でアリシアの小さな体にまたがる。


「ねえ。今、これどうやったの? アリシア、俺と地面の間に滑り込んだの?」

物理法則なんてまるっきり無視だった。どうしてぶつかってきたアリシアが俺の下にいるんだ? ま、そんなのどうでもいっか!

あなたの右手はアリシアの右のおっぱいに、左手は当然左おっぱいにぶつかった。そして、あなたは目の間にあるアリシアの可愛らしい顔を食い入るように見つめる。顔と顔が五ミリくらいしか離れていない。アリシアが吐息を漏らすごとに彼女の甘ったるい口の中の匂いが広がる。口臭がすごくいい匂いだなんて素晴らしい世界だ。


「あの。ごめんなさい。ぶつかっちゃって」

そのままの姿勢でアリシアが謝罪した。っていうかこいつ全く俺をどかそうとかしないんだな。

「いいんだよ(イケボ)」

あなたはアリシアが偶然ぶつかってきたことを寛大な心で許した。

「本当にわざとじゃないの。ごめんなさい」

「いいんだよ」


あなたはそのままの姿勢から微動だにせずに言った。両の掌がじっとりと汗ばむ。手の表面の全ての細胞を総動員、活性化させて感触を楽しむ。手でおっぱいを舐め回しているみたいだ。あなたの手は口だ。あなたの手はもはやベロだ。

「あなた今日は晩御飯何を食べたい?」

アリシアは顔を真っ赤に火照らせながら言った。だが火照っているのは顔だけじゃない。手に触れている箇所が赤熱を始めた。俺は微動だにせずに、

「今日はもうお腹いっぱいだよ。潤った」

一切動こうとしないあなたに対してアリシアも一切動こうとしない。なんでこいつされるがままなんだ?

しかも周囲にいる女の子たちの群れも、なぜか何も言わずに、固唾を飲んで見守っている。なんだか照れる。そしてその体勢のまま、五時間がすぎた。


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