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おっぱいで溺死

走る。走る。ひた走る。

「ラッキースケベ! ラッキースケベ! ラッキースケベー!」

風が頬を切る。空気の塊をナイフのように切り裂いて進んでいく。あなたの頭の中はもうあんなことやこんなことでいっぱいだった。もう止まらない。もう止められない。いやらしい妄想があなたの脳内に花畑を作る。色とりどりの変態の花束はそれはそれは美しかった。黒く濁った妄想からこんな美しいものが生まれるか? それくらい華やかだった。

「ちょっと! 待ちなさいよー!」

遥か背後の方からアリシアの声が聞こえてくる。


だがあなたにはもう聞こえない。鼓膜にはエッチな女の子のエッチな妄想が淫らに花を咲かせているのだ。すごくエッチな声が鼓膜を激しく撫でる(実際には何も聞こえません)。

あなたの純粋無垢な瞳には、とんでもなくいやらしいシーンが次々とコマ送りで映し出される(実際には何も見えません)。あなたの鼻腔にはやべー匂いが突き刺さる(実際には何の匂いもしません)。

「いやっほーーーーーう! ラッキースケベだ!」

そして、テンションが最高潮のメガマックスに達したあなたは一息で万里の長城を駆け抜けた。屋敷を抜けて街の外に出る。すると、

「なんだこりゃあああああああああ!」

目の前には、夥しいほどの人だかりができていた。公開処刑でもするの? オリンピックでもこんなに人が集まったりしないぞ!


「きたわ! あの人にラッキースケベするのね!」

「きゃあああああ。あの人なのね!」

「あの人絶対ハアハアいいながら万里の長城くらいある廊下を一息で駆け抜けてきたんだわ!」

おい! 勝手な想像するなよ! あっているけど。ってかなんでウチの間取り知っているんだ? 君、俺の家に勝手に入った?

「いやあん! エッチー! すけべー!」

いや、まだなんもしてねーだろ。

そして、騒ぎ立てる人間の群れの中から、一人の女性が飛び出してきた。

「きゃあ! どいてどいて! ぶつかるー!」

と、言いながら目線は完全に俺に標準を合わせている。完全に俺に向かって突っ込むように走ってくる。いや、もう狙い定めているよね?


そして、彼女は俺に向かってぶつかってきた。俺はそれを拒まなかった。彼女が俺にぶつかった瞬間、超巨大でフカフカな何かが俺の頭蓋を優しく包んだ。

それは、なんだと思いますか? 下記から一つ選んで予想してみてね!


一、普通にただのおっぱい。

二、おっぱいと見せかけて、二つのクッション。

三、おっぱいと見せかけて、二つの水袋。


答えはあなたの目で確かめてみてね!


あなたは目を開いた。するとそれは、なんのひねりもなくただのおっぱいだった。ただのおっぱいはそれはそれは大きかった。『人一人入るんじゃないか?』ってくらい大きい。ってかさっき見たときこんなに大きくなかったよね? 俺にぶつかってからちょっと育った?

「いやあん。ごめんなさい。前が見えなくってぶつかっちゃったー」

さっき完全に目があったよね? まあいいや。

「いえいえ。構いませんよ」


と、言いつつあなたはおっぱいから顔を離そうとしない。まるで顔でおっぱいを揉んでいるみたいだ。おっぱいで溺死したいあなたはそのままおっぱいを顔でつかんで離さない。

完全にあなたの上に乗っている女性は『ごめんなさい』と言いつつ。全く降りる気配がない。これが異世界転生にありがちなラッキースケベサービスというやつだ。

「本当にごめんなさい。お怪我はありませんか?」

「ないです」


女性は石の様に固まって全く動く気配がない。微塵もおっぱいを離そうとしない。あなたはそれを受け入れた。


ここら辺でおっぱいの詳細な描写を事細かくしようと思う。あなたの両の頬をつかんだおっぱいは究極の芸術。あなただけを抱く神の聖域。プワプワでフニフニでプルプルでボヨボヨ。超柔らかい羽毛の様な感触が頬に張り付いて離れない。絶頂で最高。原点にして頂点。あなたは今までの人生の辛かったことを全部忘れて幸せになった。胸の中を幸福感だけが過ぎていく。


快感がゾクゾクと耳元を撫でる。何やら気持ちのいい刺激が背中をじょりじょり刺激しながらお尻の方に下っていく。頭のてっぺんからつま先までが全部ポカポカして気持ちよくなってきた。おっぱいに埋もれた顔は満足すぎてとろける様な笑顔となる。おっぱいからは人の肌の優しい匂いがする。服の洗剤の匂いと相まってあなたの脳の快楽中枢を握りつぶす。脳の中からはドバドバドロドロエンドルフィン(快楽物質)が溢れる。滝の様に流れ出る快感は至高だ。


女性は今日に限ってなぜかたまたまノーブラだった。大きく開いた胸元からは白い渓谷が顔を覗かせる。すべすべしていてまるで最高級の絹のよう。あなたが息を吐き出すたびに白い渓谷に一陣の風が吹く。その度に女性は恥ずかしそうな喘ぎを漏らす。あなたはそれがたまらなく快感に思えた。全身がビリビリする。ゾクゾクする。快感で身体中がぐちょ濡れになったみたいだ。あなたはおっぱいをこれでもかと堪能した。今日が間違いなく人生で最高の日だ。もう本当に最高! 地上で一番の幸せ者だ。もう死んでもいい。もうどうなっても構わない。魔王とか知らない。


あなたは吸い込まれるようにおっぱいにくっついた。完全におっぱいと一体化していた。もはやあなたはおっぱいの一部となった。右おっぱいがあって、真ん中にあなたの顔面があって、左おっぱいがある。おっぱい顔面おっぱいの順番だ。つまり最高だ。あなたは本当におっぱいを堪能した。これでもかってくらい顔を埋めた。ラッキースケベなことを言い訳におっぱいに顔をなすりつけた。あなたは死んだ。


死因は窒息死だった。


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