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chapter2
娘には息子がいた。
娘は大事な我が子にタリスマンを託した。
14日後。死んだ。
「世紀の戦い」に巻き込まれた。
娘には息子の他に娘もいた。
娘も巻き込まれ、死んだ。
息子は”たまたま”その場にいなかった。
娘は、自分が「世紀の戦い」に巻き込まれる人物である事を分かっていた。
それで「死ぬべき運命」とも分かっていた。
だから、父から貰ったタリスマンを息子に託した。
タリスマンは「死」から逃れるモノ。また「守るべきモノ」。
それを持っている事は、自分の運命からも逃れる意味でもあった。
娘は自分の運命を受け入れたのだ。